肌のたるみ、しわ、糖尿病やうつなど、老化、病気に深く関わる「糖化」についてお話を聞いてきたシリーズ最終回のテーマは、「老けない食事」。AGE研究の第一人者、昭和大学医学部教授の山岸昌一さんに、老化のもととなるAGEを体内で蓄積させないための食生活のポイントをしっかり聞いていきます。

食事に含まれるAGEを減らそう

―― 糖化の怖さが分かってきました。糖化から自分の体を守るために、実践できる方法を教えてください。

山岸昌一さん(以下、敬称略) 基本的なこととして、人の体はたんぱく質でできています。そして、糖は必要不可欠な栄養素、エネルギー源です。つまり、人はAGEの蓄積をゼロにすることはできません。

 AGEは、次の2つのルートでたまっていきます。

1つめのルート:AGEを多く含む食べ物を取ることで体外から取り込まれる
2つめのルート:高血糖状態が長く続くことによって体内でつくられる
体内に存在するAGEの約2/3は体内でつくられ、残りの1/3は食品など体外から取り込まれる
体内に存在するAGEの約2/3は体内でつくられ、残りの1/3は食品など体外から取り込まれる

 これまでの研究によって、食品に含まれるAGEの約7%が吸収され、体内に蓄積することが分かってきました。私たちは年間1000回前後の食事を取りますから、AGEが多めの食事を取っている人は、それが積み重なっていくわけです。

 従って体内の糖化を抑えるためには、

1 「食品に由来するAGEの量を減らす」
2 「食後の血糖値の上昇を抑える」

という2つの対策が有効です。

―― AGEが多く含まれているのはどんな食品ですか?