糖を取り過ぎる食事や、AGE(終末糖化産物)の多い食品をとることによって起こる「糖化」は、体の外側、内側両方で老化をじわじわと進めていきます。AGE研究の第一人者、昭和大学医学部教授の山岸昌一さんに伺う2回目は、糖化が影響を及ぼすさまざまな病気や、体に現れる「糖化のサイン」について、さらに探っていきます。

(1)老化の元凶「糖化」 女性ホルモンの働きも邪魔する
(2)身近な症状で分かる「糖化のサイン」を読み解く ←今回はココ
(3)AGEを体内で蓄積させない「老けない食事」

AGEは肌のたるみだけでなく、体の内側も老化させる

―― 糖化といえば肌のたるみなどの美容の問題がよく知られていますが、それだけでなく体の内側にも悪影響を及ぼしているのですね。

山岸昌一さん(以下、敬称略) そうなのです。老化も、糖化も、それまでの生活のツケとして表れるという視点で理解できます。若い頃はどんなにハードワークでも寝不足でも、一晩寝ればケロッとしてしていたものです。しかし、年齢を重ねると無理が利かなくなってきますね。これは、加齢によって、本来の修復機構がうまく働かなくなっているということです。

 AGEが蓄積すると、細胞、組織の機能が妨げられ、病気のリスクを高めていきます。AGEは全身のあらゆる組織にたまり、さまざまな病気に影響をもたらすことが分かってきました。

AGEは全身のさまざまな病気に関わる
AGEは全身のさまざまな病気に関わる

脳の神経細胞にAGEがたまると?

―― 糖尿病だけでなく、うつや認知症にも影響が及ぶのですか?

山岸 AGEとうつ病の関連についても報告されています。もともと2型糖尿病の人はうつ病を発症しやすいことが分かっていたのですが、そのメカニズムにはAGEが関わっていそうです。オランダで862人の男女(平均年齢59.8歳)を対象に行った研究では、AGEの値が高いと、抑うつ症状、うつ病発症率がともに有意に高くなった。これは脳の神経細胞にAGEが蓄積し、炎症などの悪い働きをするからだと考えています。

―― なるほど……、ストレスを感じると甘いものが食べたくなりますが、そういった食生活がかえって糖化を進めてメンタル面にも悪影響、という結果を引き起こしているのかもしれませんね。

山岸 糖をたくさん取ったからといって、すぐに症状が悪化するわけではありませんが、徐々に蓄積していくから怖いのです。まずは「何が体の中で起こっているかを知る」ことを大切にしてください。

―― 「自分はどのぐらい糖化が進んでいるんだろう」と気になってきました。糖化の進行具合を測ることはできないのでしょうか。