「キャリアを積み重ね、ある一定のステージに立った人には、『自分で自分を育てる力』が特に必要」と言うのは、スポーツにおいてコーチを育成する「コーチのコーチ」として、また組織変革のコンサルタントとして活躍する中竹竜二さん。中竹さんが40代以降のキャリアを主体的に築くために必要と提唱する「セルフリード」。最終回は、不安や焦りを解消する特効薬にもなる「他人からの評価を気にせず生きるコツ」を聞きました。

(1)会社に尽くしてきた人は「キャラ変」しないと迷子になる
(2)過剰な「自分褒め」は危険 ネガティブな自分を認めよう
(3)自分を観察し振り返る毎日の習慣で見えるもの 中竹竜二 ←今回はココ

「他人から評価されないのが当たり前」という前提に立つ

 皆さん、こんにちは。ラクダのリュージこと、中竹竜二です(こう名乗る理由については、「キャラ変」について語った連載1回目を参照)。この連載では、私が企業向けのリーダー研修でよくお伝えしている「自己認識」の重要性と、日々のコミュニケーションに生かすヒントをお伝えしています。

 前回お伝えしたポイントは、「過剰な“自分褒め”はやめよう」というもの。「褒めて伸ばす」にはワナがあり、決して褒められない自分の内面に素直に向き合うことこそが、真の自己肯定につながるという話でした。今日はここからさらにもう一歩進んで、「自分への期待も捨ててしまおう」というお話をしたいと思います。

 人は誰でも「認められたい」と願っています。なぜなら、認められることで自分の存在価値を感じられるからです。しかし、その「認められたい」という願いには、ある種の期待があります。「自分には実はこういういいところがある。それを誰かに発見してもらいたい」という期待です。その期待を最初からゼロにしておけば、「他人から評価されないのが当たり前」という前提に立ち、心穏やかでいられます。

「キャリアを積み重ね、ある一定のステージに立った人には、『自分で自分を育てる力』が特に必要だと考えています」
「キャリアを積み重ね、ある一定のステージに立った人には、『自分で自分を育てる力』が特に必要だと考えています」