20代30代を仕事に学びにと忙しく過ごし、生活が落ち着いたアラフォー、アラフィフで婚活を始める女性が増えてきました。周りを見渡すと40代50代で良きパートナーに巡り合った友人もちらほら。とはいえ、ARIA世代の婚活はそれほど甘くありません。結婚相談所を主宰し、仲人として数々のカップル成立をサポートしてきた鎌田れいさんが令和の婚活サバイバル術を語ります。

 40代、50代で婚活を難しくする要因として、独身の候補者が圧倒的に少ないという数の問題もありますが、年齢を重ねると自身の考え方やライフスタイルが出来上がってしまい、それが結婚を難しくすることがあります。気付かないうちに結婚相手を限定してしまったり、うまくいきそうなご縁が破談になったり。今回は、40代女性二人のケースを基に「婚活をはばむ要因」について一緒に考えていきましょう。

「持ち家」は良い条件ではなかった

 埼玉県のとある市役所職員だった美知枝さん(48歳、仮名)が、千葉県在住の男性、努さん(50歳、仮名)とお見合いをして交際に入りました。

 美知枝さんは努さんと付き合い出した当初、こんなことを言っていました。

 「私たちは、もう子どもを授かる年齢ではないし、お互いに自分の仕事や趣味を優先して、共有できる時間を仲良く一緒に楽しめればいいと思っているんです」

「子どもがいなくてもお互いを尊重して仲良く一緒に楽しめればいい」と考えていたが…(写真はイメージ)
「子どもがいなくてもお互いを尊重して仲良く一緒に楽しめればいい」と考えていたが…(写真はイメージ)

 これを聞いた私は、「さすが大人のカップル。40代、50代が結婚を決める時の理想的な考え方だわ」と思っていました。

 ところが、真剣交際に入ってから「住む場所問題」が持ち上がりました。美知枝さんは、勤め先の市内に2LDKの分譲マンションを持っていました。努さんは、千葉県に一軒家を購入していました。二人は、毎月ローンを払いながら暮らしていたのです。

 美知枝さんが言いました。

 「私、今住んでいるマンションは、売ってもいいし、人に貸してもいいと思っているんです。でも、仕事は辞めたくない。公務員の仕事を辞めて転職したら、今ほどいい条件では働けませんから。仕事を続けることを考えた時に、千葉の努さんの家では暮らせない。通勤に2時間半かかるんです。努さんの職場は都内だし、もしも結婚したら、二人が通勤できる都内にマンションを借りればいいと思っていました。ところが彼は、『今の家を売ることも、人に貸すことも考えていない』と言うんですね

 そこだけは、かたくなでした。

 「ならば、週末だけどちらかの家で過ごす別居婚でもいいかな、と私は思っていました。でも、家を『売らない』、『人に貸さない』というのは、努さんだけの考えではなかったんです