夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。

由香
(仮名、49歳、会社員)
32歳で結婚、42歳の時に離婚、犬と一人暮らし

峠1:違和感を抱き始めたとき

夫は仕事人間、家にも帰ってこない

優しく穏やかでいい人だけど、とにかく仕事が好き

 元夫は高校時代の部活仲間で、大学に行ってからもときどき会う友達でした。社会人になって5年ほどたった頃、お互いの勤務先が近かったこともあり、たびたび食事をするようになりました。ちょうど仕事や家族のことで悩みがあったので、話を聞いてもらっているうちに「この人は信頼できる人だな」と親近感を抱くように。自然とお付き合いに至りました。

 お互い実家暮らしだったので、時間があるときに会うさっぱりした付き合い方をしていましたが、彼はとにかく仕事が趣味のような人。周りの友達も心配するほど仕事にのめり込んでいて、いつも時間がなさそうという印象でした。もちろん、仕事そのものが忙しかったことは確かですが、彼の場合は自ら好んで忙しくしているような感じもあり、周囲からの期待に応えようと必死になっていました。理想が高く、自己承認欲求が強い人なのでしょう。もっと何かできるはずだと、とにかく仕事をしていました。

 優しく穏やかでいい人でしたが、仕事第一の彼なので、私との時間は優先してもらえません。5年お付き合いして32歳で結婚しましたが、彼は帰宅が遅かったり帰って来なかったりが当たり前。家で一緒にいるときは話も盛り上がるし楽しいけれど、お互い自由気ままに生活していたので、結婚しているという実感はあまりありませんでした。一人でいるほど寂しくないし、経済的にも安定しているし……と結婚のメリットも感じていましたけどね。

お互い自由気ままな結婚生活。特に不満はなかったけれど…
お互い自由気ままな結婚生活。特に不満はなかったけれど…
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