峠2:別れる決定打となった出来事

旅先でも仕事。「よく我慢してるよね」という言葉にハッとする

まるで、うるさくない親、兄のような存在

 結婚してからずっと、そんな自由気ままな暮らしぶりでした。結婚生活10年間の中で、彼が日付が変わる前に帰って来たことは片手で数えられる程度。平日にご飯を一緒に食べたことは2回しかありませんでした。私も当時は仕事が楽しかったので、海外出張に頻繁に行ったり、深夜まで仕事をしてそのまま同僚や友人と飲みに行ったりしていましたしね。

 彼は、結婚当初は週末は家にいましたが、結婚生活も終わりの頃になると土日どちらか1日は不在でした。私は週末くらいゆっくりしたいのに、朝から一人で仕事やスポーツジムなどに出かけて行く。家にいてもデスクワークをしていて、夫婦で過ごせる貴重な休日もバラバラな生活でした。もはや彼はうるさくない親のような、兄のような、空気のような存在になっていました。

 私のことを全く束縛せず、お互い自由だったので、大きな不満はありませんでした。もし普通の結婚生活を望んでいる女性だったら、もっと早くに不満がたまっていたでしょうね。

 ただ、長期休暇には二人で旅行に行っていましたが、いつもけんかのもとになるんです。旅先でもホテルの部屋で延々とPC作業や携帯メールをしている。私はよく一人で街を歩いていました。

 ある年の夏休みにバリ島に行ったとき、偶然旅先で彼の同僚と会ったのでディナーを一緒にしようということになりました。そんなときでも、急な仕事が入ったからと言って彼はホテルの部屋に引きこもってなかなか出て来ない。同僚との食事中に、「由香ちゃんはよく我慢してるよね」と言われてハッとしました。そうか、私は我慢していたのかもしれないと、初めて気付きました。毎回出張に付き合わされているような感じの旅で、ゆったりと二人で観光したことは一度もなかったんです。私は彼の会社と結婚したわけでも、クライアントと結婚したわけでもないんだ! と悲しい気持ちになりました。

旅行中もホテルの部屋で延々とPC作業や携帯メールをしている彼。私はよく一人で街を歩いていました
旅行中もホテルの部屋で延々とPC作業や携帯メールをしている彼。私はよく一人で街を歩いていました