夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。

明日香(仮名、55歳 会社員)
23歳で結婚、52歳で離婚。2人の子どものうち1人は独立、現在は子どもと2人暮らし。

夫を幸せにしてあげたい。それが自分の幸せと思い込んでいた

 元夫とは大学の新入生歓迎コンパで顔見知りになり、ドライブに出掛けたのをきっかけに、友人の1人として付き合っていました。私は彼の家族からとても気に入られ、自然な流れで結婚することになりました。

 元夫の実家は家族旅行や外食を楽しむということなどない家庭でしたので、私は「家族ってこんなにいいものなんだよ」と彼に分かってもらおう、彼を幸せにしてあげよう、と思っていました。

 私は旅行好きでしたので、結婚後は2人で旅行三昧。子どもが生まれてからも、元夫は週末も子どもを保育園に預けて日帰り旅行をしたがりました。

 その一方、私は子育てに夢中になりました。その分、子どもたちを寝かしつけた後、睡眠時間を削ってでも元夫と深夜までお茶とお菓子で話をしたりして元夫との時間を維持していました。

 元夫はプレゼントをくれたりマッサージしてくれたり、私が喜ぶことをたくさんしてくれました。でもその後に、自分のための高い買い物をしていいかと聞いてきます。バイクを乗り換えたり、高級時計を買ったり。

 元夫を買い物好きにしたのは私かもしれません。何不自由なく過ごさせてあげたいと思って反対はしなかったので。

 子どもは2人授かりました。元夫もいい父親だったとは思いますが、私のことで気に入らないことがあると子どもにあたるので、私は自分の感情を心の中に収めてきました。

 私は元夫の職場の人の前でも愛想よくして、元夫が少しでもみんなから信頼されるように振る舞いました。それが私にとっても幸せな姿だと思い込んでいました。

優しい夫とかわいい子どもたち。それを守ることが幸せと思っていた
優しい夫とかわいい子どもたち。それを守ることが幸せと思っていた
連載「実録 離婚までの4つの峠」では、みなさんの体験談を募集しています。男女問いません。実名は伏せて掲載いたします。

取材にご協力いただける方は、こちらのフォームからご応募ください。