夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。

よしえ(仮名、55歳、会社員)
25歳で結婚、44歳で離婚。2人の子どもは独立し現在は一人暮らし。

 元夫は職場の上司でした。23歳で就職した先で出会い、職場結婚しました。夫は職場では100人ほどの部下を持つ、統括的な役職でした。リーダーシップと収入に応じた気前の良さに魅力を感じました。

 夫が私より15歳も年上だったことや、離婚歴があったことから、親や同僚たちからは随分結婚を反対されましたが、私の両親も離婚、再婚して幸せに暮らしていたので、私にとっては離婚歴は問題と感じられませんでした。

 また、母と祖母の「嫁姑問題」を見てきたので、義父母が既に他界していた夫の境遇も決め手のひとつでした。

峠1:違和感を抱き始めたとき

借金まみれの実態が明らかに

ある朝いきなり、裁判所の強制執行が

 結婚から2年目に長女を出産。5年目にはマンションを購入しました。ところが、その後、突然裁判所の強制執行があり、家財を差し押さえられてしまいました。執行官に聞かされた理由は、消費者金融3社に対する債務不履行とのことでした。

 私にとっては寝耳に水の出来事だったため、慌てて夫に説明を求めると「前妻とのいざこざがあって、無理やり借りることになったので、自分の意志ではないからこれまで全く返済していない」というのです。

 なぜ、その時点で急に強制執行があったのかといえば、夫は再婚するまで住民票を登録していなかったのですが、結婚して住所が明らかになったので、法的手続きが可能になったのだろうと夫は説明しました。

 さらにこのとき、前妻への慰謝料、養育費、借入金の未払いも判明しました。その後、弁護士に相談して、任意整理により消費者金融3社への借入金は夫が全額返済し、マンションも手放さずに済み、いったん解決しました。

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