夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。

かすみ
(仮名、42歳、会社経営)
36歳で夫と離婚、41歳で再婚
前夫との間に9歳の娘が一人

峠1:違和感を覚え始めたとき

仕事でも家でも、リードするのはいつも私

元夫はいつも「それでいいよ」

 同じ業界の元夫とは5年間のお付き合いを経て30歳で結婚、32歳で出産しました。4歳年下の元夫は、とても優しい人。私のやることに文句ひとつ言わず、家事や育児にも協力的でした。

 でもふと思い返してみると、大事なことを決断するのはいつも私。結婚のタイミング、結婚式のこと、出産、マンションの物件探しや購入、子どもの学校選び、旅行の計画、お金のこともすべて一人で決めて、元夫はいつも「それでいいよ」と付いてくるだけ。私が彼をリードして道を切り開いて行く、そんな夫婦関係でした。

 仕事ではスタッフを抱え、現場を取り仕切る立場。外でも上に立って引っ張っていく役割だったので、仕事でもリードして、家に帰っても家族をリードしている“外でも家でも男役”という感じでした。

 穏やかで、怒ることもない彼。波風立たない、平和な日々でしたが張り合いのなさを感じていました。子どもが3歳になった頃、二人目が欲しいなと思ったのですが、元夫の子どもをまた産みたいとは思えず、それと同時に夫婦としての関係にも疑問を抱くようになりました。今の生活は何かが物足りない……漠然とした不満です。

 仕事のこと、お金のこと、さまざまなことを元夫に相談することもなかった関係。なんだか頼りないな、この人は一生ともに暮らすパートナーではないのかもしれない、と思っていました。

峠2:別れる決定打となった出来事

悩みを打ち明けられる、頼れる男性との出会い

 その頃、個人事業主から株式会社設立に向けての準備を始めていました。会社設立に向けての準備の中で出会ったのが、(後に新しい夫となる)会計士の彼でした。会社設立までには、事業計画立案、書類作成や資金準備などやることが山ほどあります。週に1回は会計士の彼と会い、準備をしていました。今までの仕事のことをすべて話し、預金通帳も全部見せながら悩みを相談しているうちに「彼になら何でも相談できる。彼なら私を引っ張っていってくれる」という気持ちになっていきました。

何でも自分任せの夫への漠然とした不満……そんなときに「何でも相談できる」彼に出会った
何でも自分任せの夫への漠然とした不満……そんなときに「何でも相談できる」彼に出会った
連載「実録 離婚までの4つの峠」では、みなさんの体験談を募集しています。男女問いません。実名は伏せて掲載いたします。

取材にご協力いただける方は、こちらのフォームからご応募ください。