夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。

まどか(仮名、46歳 会社員)
28歳で結婚、44歳で離婚。現在は子どもと2人暮らし。

出会った頃の彼の印象は残っていない

 元夫は、デザイン会社で働いていたときの同僚でした。仕事で同じプロジェクトに関わることがたまにありましたが、正直なところ、彼のことはあまり印象に残っていませんでした。

 実はその頃、私は婚約破棄をしたばかりで、「もうずっと一人でいいや……」と考えていたのですが、彼から交際を申し込まれ、「人畜無害そうだし、まあ引き合いがあるうちが華かな」と考え直して付き合い始めました。

 お互いに仕事が忙しく、会う時間もなかなかつくれなかったので、一緒に住もうかという話が持ち上がりました。賃貸では家賃がもったいないのでマンションを購入することにしましたが、他人同士の共同購入ではローン審査が通らないため、籍を入れることにしました。

峠1:違和感を抱き始めたとき

結婚式での夫のつぶやきに強い違和感

「家庭のことは妻任せが理想」といわんばかりの夫に不安

 違和感を抱いたのは、結婚式でのことです。彼は一人暮らしも長く、結婚前には家事も普通にやっていたのですが、結婚式で来賓の挨拶を聞いているときに「俺も人生後半になったら、こうやって誰かの結婚式で『家庭のことはすべて妻に任せて仕事にまい進してきました』とか言うんだろうな」と、それがさも理想的であるかのようにしみじみと言い出しました。

 私はその言葉を聞いて、強烈な不安と違和感を持ったことを覚えています。

 そして結婚後に、自分の身内への態度と他人に対する態度が全く異なる人だということがだんだん分かってきました。ひとたび身内となると、急に見下してきて、マウンティングや暴言が出ます。年下の親戚の子や高齢の親、自分の娘に対してもそれが顕著でした。自己愛や甘えからくるものだと思います

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