夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。

美也子(仮名、58歳、自営業)
24歳で結婚、32歳で離婚。二人の息子は独立し、現在は一人暮らし

親から出された条件は医者。好きでもない人と結婚

 私は、医者一族の長女として厳しく育てられました。当然のように、結婚相手は医者であることが絶対条件。お見合いを33回もしました。当時お付き合いしていた人は会社員で、医者ではないことを理由に別れさせられ、やけくそになった私は、次にお見合いする人と結婚しようと決意し、実際に次にお見合いした元夫と結婚しました。

 夫は、母子家庭の、決して裕福とはいえない環境で育った人でしたが、医師であるということで、両親が即決。ファッションのセンスや話し方、価値観まで、何一つ私とは合わない相手でした。全く感情のないままの結婚です。新婚旅行は私の希望で米国のニューヨークへ行ったのですが、海外旅行が初めての夫はホテルの部屋から出ようとせず、私は一人で出掛けて完全に別行動したほど、かみ合いませんでした。

 結婚する以前から、夫は1年間地方の総合病院の病院長として勤務することが決まっていたので、結婚してすぐに転居しました。

 転居先の地で、私はフリーアナウンサーや放送局関係の仕事をし、他の時間は自宅近くに住む子どもたちを集めてお琴やお茶などを教える文化教室を開いたり、ホームパーティーを開いたりして過ごしました。

 しかし、夫に対していつも不満を持っていることには変わりがありません。子どもをつくれば愛情が湧くかもと考え、子どもをもうけました。

連載「実録 離婚までの4つの峠」では、みなさんの体験談を募集しています。男女問いません。実名は伏せて掲載いたします。

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