夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。
(49歳、出版社勤務)
34歳で結婚、46歳のときに離婚、現在は中学生の長男、小学生の次男と3人暮らし
峠1:違和感を抱き始めたとき
夫のアルコール依存症と借金が発覚
病気を機に医学部を目指す彼を応援しようと結婚
元夫と出会ったのは結婚した年の2年前で、私は東京の会社で編集者として働いていました。彼は同じ大学の卒業生。2年後輩にあたり、大学院で工学の修士号を取ってから就職したとのことでしたが、なぜかまた大学の理学部に入り直していました。よく聞いてみると、就職してすぐに1型糖尿病という病気になり仕事を辞め、妻とも別居したが(その後離婚)、それをきっかけに医師になりたいと思ったとのこと。いったん理学部に入って勉強しながら医学部を再受験しようとしていました。
私に出会って一目ぼれをしたといい、毎日東京へ電話が来るように。元夫は結婚したいと言っていましたが、とりあえず医師になるのが目標なら医学部に入ることが前提なので、話をして国公立大にこだわらず、どこか私立大学に入るよう勧めました。
私立大学医学部は莫大な授業料がかかるため、無理と考えていたようですが、彼の父親が上場企業で役職についていて援助が受けられそうなこと、また教育ローンや奨学金でなんとかやっていけることが分かり、元夫は翌年私大医学部に合格。上京して同居をはじめました。入学して1年たったときに結婚し、翌年に長男が誕生、そのあと次男にも恵まれました。
私自身は仕事が忙しく、特に出会いもないため、結婚はしないだろうと考えていました。でも元夫が結婚生活も仕事も失い、人生に行き詰まっているなかで背水の陣でプロポーズしていることに心を動かされ、また医師になりたいという夢を応援してあげようという気持ちもあり、結婚することにしました。子どもは欲しいと思っていました。
元夫が研修医になって10カ月目。大学病院のERに研修に行くことになり、あまりの激務に4日目でうつ病を発症しました。彼は自宅で静養していたのですが、しばらくして様子がおかしいと感じ始めました。お酒の空き缶を数えると、500ml缶を1日5~6本空けているようでした。うつ病の症状とは思えない、失禁や意識喪失などの症状が頻繁にあり、アルコール依存症を疑いました。
元夫はもともとお酒が好きで、医学部生のときは毎日飲んでいました。20代からずっと飲み続けていて、それ以外にストレス解消法がなかったのではないかと思います。また生活費という名目で実家から毎月数万円のお金をもらったり、消費者金融から借金をしたりして、酒代に使っていたことも発覚しました。