その人らしさや、生き方のスタイル。どうやらそれは、住み方にも強く表れるようです。この連載ではひとり時間の過ごし方、ついの住み家考察、おひとりさま同士の助け合いなどを通じて、自立した大人の女性たちの人生観とすてきな住まい事情の関係を紹介していきます。前回に続き、30代から10年以上暮らし続けたシングル向けマンションを40代で購入した、編集者、島田みささんのお宅を訪ねました。

(上)40平米の1LDKを40代で購入「ひとり時間は大事」
(下)50代からはギブ&テイクよりもギブ&ギブで生きていく ←今回はココ

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40平米の1LDKを40代で購入「ひとり時間は大事」


50歳の誕生日を機に、「おめでとう」から「ありがとう」へ

 ひとり時間を大事にするのと同じくらい、人を招く時間も大事にしている島田みささん。仕事はウエデイング雑誌の編集長だ。この家を訪れる人は仕事仲間も多いが、最近は仕事とは関係なく、意気投合した友達を招く機会も増えているそう。

 「近所に住む姉が長年、自宅でお菓子作りの教室をしているのですが、そこに通う生徒さんと20年以上付き合いが続いていたり、姉と同じマンションに住むご夫婦と家族ぐるみで旅行に行ったり。業界や業種が違っても、働く女性同士、通じ合えることが多いし、頼もしい存在です」

50歳の誕生会以来、恒例になっているザリガニパーティー。左から3人目が島田さん、その右隣で写真中央が島田さんの近所に住む姉、淳子さん。姉と同じマンションに住む岡田夫妻(左端の2人)とも親しい仲で、アポなしで訪ねて行って夕飯をごちそうになることもあるそう(写真提供/島田さん)
50歳の誕生会以来、恒例になっているザリガニパーティー。左から3人目が島田さん、その右隣で写真中央が島田さんの近所に住む姉、淳子さん。姉と同じマンションに住む岡田夫妻(左端の2人)とも親しい仲で、アポなしで訪ねて行って夕飯をごちそうになることもあるそう(写真提供/島田さん)

 こうした緩やかなつながりをたくさん持っていることが、大人のシングル女性がご機嫌に過ごせる秘訣なのかもしれない。振り返れば30代、40代の頃は気心の知れた友人らが島田さんの誕生日になると、いつもサプライズパーティーを企画してくれた。時にはホテルのプールサイドやアクアリウムバーで、時には屋形船を貸し切りで、といずれもサプライズがたっぷり盛り込まれた、アイデアのセンスが光るパーティーばかりだった。

 「年齢を重ねるたびに、たくさんの人に支えられていることを実感するようになりました。だからというわけでもないのですが、50歳の誕生日を機に、これからはこれまで『おめでとう』の会をしてくれた友人たちを自ら招き、『ありがとう』を伝える日にしようと思い立ったんです」

 「50代からはギブ&テイクよりも、ギブ&ギブ。与える人であり続けることが理想です

 与える人になりたいと宣言した島田さんだが、「みさ本人が、みんながお供え物をしたくなるような人なんです」と語るのは、20年来の友人で仕事仲間でもある写真家、中川真人さん。

北欧ではザリガニは夏の風物詩。ザリガニパーティーは、夏生まれの島田さんらしい、旬のおもてなしだ。ケーキは自宅でお菓子作りの教室を営む姉の手作り(写真提供/島田さん)
北欧ではザリガニは夏の風物詩。ザリガニパーティーは、夏生まれの島田さんらしい、旬のおもてなしだ。ケーキは自宅でお菓子作りの教室を営む姉の手作り(写真提供/島田さん)
北欧ではザリガニは夏の風物詩。ザリガニパーティーは、夏生まれの島田さんらしい、旬のおもてなしだ。ケーキは自宅でお菓子作りの教室を営む姉の手作り(写真提供/島田さん)