日本の富裕層に支持されている総合婦人誌で、約25年にわたり美容とメディカルを担当してきた鹿田真希さん。美容医療が世の中に浸透する前から最先端の現場で取材をし続けてきたすご腕編集者です。鹿田さんとお届けする連載第3弾のテーマは「髪」。産後の抜け毛にはじまり、白髪、薄毛など気になる毛髪問題。案外知られていない育毛と発毛の違い、最新の治療法、セルフケアの落とし穴まで。日経xwoman総編集長の羽生祥子がインタビューします。

(1)40代からの薄毛 育毛剤と発毛剤の違いを理解してる? ←今回はココ
(2)女性頭皮専門外来へ初訪問 どんな治療法を提案される?
(3)セルフケアの落とし穴 自己流がダメージになることも

「昔と勝手が違うな」と思い始めたとき、ついやりがちなこと

鹿田真希さん(以下、敬称略) 羽生さん、こちらは日本初の女性専門発毛治療クリニックの医師である浜中聡子先生です。羽生さん、最近髪の調子はどうですか? 30代の頃と比べて、違和感を覚えることはありませんか。


羽生祥子日経xwoman総編集長(以下、羽生)白髪はともかく、ハリやコシがだんだん無くなって、髪1本1本が細くなってきたと感じていますね。特にサイドの辺りなどは毎朝、心もとなくて……。

浜中聡子さん(以下、敬称略) 「あれ? 昔とちょっと勝手が違うな」と思い始めた方が治療以前にまず、どんなことを試みるか挙げてみましょうか。たとえば、シャンプーを変える/パーマをかける/カラーリングで色を軽くする/段をいれてボリュームを増やす(主にトップ)/全体的にペタッと重い印象になってきてロングの人が切り始める/生え際が上がって地肌が透けてくると前髪をつくり始める/分け目を直線からジグザグに変えるなど……。思い当たる人も多いのではありませんか?

鹿田 まさに! まさに!

浜中 そうこうしているうちにだんだん、自分ではまかないきれなくなってくるというか。

鹿田 とにかくヘアスタイルが決まらない。カーラーを巻いてもどうにもならない!

浜中 40代50代を対象にした美容雑誌を見ていますと、持ち上げたり巻いたり小手先のテクニックがたくさん書いてありますが、髪質が変わり、うねって乾燥してくるので、その通りにしてもなかなかまとまらない。頑張ってドライヤーでサラサラにしようと試みても、実際は自然にボリュームを保てる若い頃とはやっぱり勝手が違うんです。

羽生 ペタッと全体的に重い印象になってくるのは40代辺りから?

浜中 人によりますが、早い人は30代半ば。その頃から白髪が増え、ボリュームダウンしていきます。地肌が透けて見える自覚症状が出始めるのが40代辺りでしょうか。実は、当院にみえる患者さんの約8割は病的症状ではなく、健常毛で薄毛の悩みです

 中には更年期以降、「そんなにフサフサで何を心配なさっているのですか?」という人も少なくないのですが、本人にとってみれば、もともと多かったので「半分です!」と切実な悩みなわけです。

鹿田 分かります。私も若い頃はポニーテールにすると「しめ縄か?」というくらい太く剛毛だったのに、ある時期から……。

浜中 皆さん、無意識に28歳の頃の自分と比べてしまうんですよ。

鹿田 それもどうかと(笑)。そこまで厚かましくはないですよ!

浜中 いやいや。皆さん、それが普通です(笑)。素できれいだった頃の自分と比べてしまう。ホルモンバランスが安定して、全体のトータルバランスがよかった時代の自分です。

日本初の女性専門発毛治療クリニックの医師、浜中聡子さん
日本初の女性専門発毛治療クリニックの医師、浜中聡子さん
今週の濃縮レッスン(1) ARIA世代の悩みの種、白髪と薄毛。両者のメカニズムは全く別。