「企画書がうまく書けない」「プレゼンに失敗した」「リモートワーク中のコミュニケーションで、誤解を生んでしまった」…。こんな悩みはすべて、あなたの「文章力」のせいかもしれません。社会人になって、名刺の渡し方などのマナーは教わったけれど、仕事で必要な文章力は自力で育んできたという人も多いはず。でもその文章、正解ですか? これまでに200冊以上の書籍ライティングに関わり、文章のプロによるスキル本を100冊分読み込むなど、文章術を研究しつづけるライターの藤吉豊さんが「社会人たるもの持っておくべき文章力」について解説します。

(1)文章のプロ・藤吉豊 「文章力が高い人は、年収も高い」
(2)ビジネス文書に「文才」はいらない デキる人の文章術
(3)メール冒頭の3行で分かる 仕事がデキる人、デキない人 ←今回はココ

画面の大きさに合わせて文章の見た目を変える

編集部(以下、略) ビジネスシーンで文章を書く機会が多いものに、メールがあると思うのですが、ここでも前回教えていただいた「ビジネス文書に『文才』はいらない デキる人の文章術」の文章術を踏襲すればよいでしょうか。

藤吉豊さん(以下、藤吉) 基本的にはそれでよいと思います。ただし、ビジネスメールは、パソコンやスマートフォンなど「画面」上で文章のやり取りをするため、紙面よりも「見た目」や「1文の長さ」に配慮する必要があります。

 例えば、ビジネスメールで「見た目」を整えるのであれば、改行の頻度を多くしたほうが見やすいでしょう。

 文字が詰まって見えると、読み手に重苦しい印象を与えてしまいます。紙面上では5〜6行で改行することを推奨していますが、メールでは、長くても2〜3行で改行するのがおすすめです。それ以上の長文は、スマホなどの小さな画面で見ると、大きな黒い塊のように見えてしまい、可読性(読みやすさ)が悪くなります。

―― 画面のサイズを考慮して、スッキリ読みやすい見た目にすることが大事なんですね。

藤吉 読みやすくするためには、改行や余白といった見た目とともに、「簡潔に書く」ことも大事です。