夢中で働いてきた女性たちが、本格的に「定年後」に直面するのはこれから。「会社という束縛から解き放たれて自由に過ごせる時間は、女性の場合は約30年もあります。やりたいことにチャレンジするためには、この間の暮らしを支えるお金にめどをつけるところから」と話すのは、書籍『「サラリーマン女子」、定年後に備える。』の著者で確定拠出年金アナリストの大江加代さん。「定年後」への不安をなくし、自分らしくセカンドステージを輝かせるためにやっておくべきことを、大江さんに教わりました。

 「老後はノンビリ過ごしたい。あくせく働きたくないよ」と考える人も多いかもしれません。しかし、定年を迎えて仕事をパッタリとやめてしまうことには、リスクが伴います。定年後も働き続けたほうがいい、その理由は主に3つあります。

【理由1】長く働き続けたほうが健康でいられる

 下のグラフは、横軸が「65歳以上の就業率」、縦軸が「1人当たり医療・介護費」で、各都道府県のそれぞれの数値をプロットした結果です。これを見ると、65歳以上の就業率が高い地域ほど、1人当たり医療・介護費が低くなっていることが分かります。

 働くことは、体を動かし、頭を使うだけでなく、心にハリを持たせ、自分が社会に必要とされているという自己肯定感を生みます。長く働き続けることは、健康面にもプラスの影響があります。