【理由3】「居場所」があることが、生きがいにつながる

 定年を迎えても働き続けるシニアは、仕事を通じてやりがいや居場所を確保できます。仕事という形でなくても、ボランティアや趣味のサークルなど、世の中とつながりのある場を持つことが「心のハリ」にもなります。

 厚生労働省の調査によると、「働いている・何らかの活動を行っている」という人が60代では7割以上、70歳以上でも5割近くに上ります。仕事を含め、ボランティアや地域社会活動(町内会、地域行事など)、趣味やお稽古事をしているシニアが多数いる、ということが分かります。

 こうした活動の場を急に失うと、喪失感や孤独感を覚え、心が不安定になってしまうこともあるでしょう。

 「会社」という枠組みから解き放たれて、イキイキと過ごしているシニアの共通点は、「自分が快適に過ごせる居場所」を持っていること。自宅と職場以外の「サードプレイス」を持つことも、定年後の「居場所」づくりには重要です。趣味や地域活動、ボランティア、生涯学習など、仕事に限らず活動の場を持っておくことで人脈が広がり、思わぬところから「仕事」が生まれることもあります。

 自分が快適に過ごすことができる「場」の条件は、1.幸せが感じられること、2.充実感が得られる瞬間があること、3.夢中になれること、の3つ。これらを意識して、自分らしさが発揮できる居場所づくりを、現役時代から始めておくといいでしょう。