食べ物で健康な心と体を作る予防内科医の関由佳さん。医師でありながらNYで栄養と料理を学び、ミシュラン星付きレストランでも働いた異色の経歴の持ち主です。無農薬の野菜作りにも挑戦中の関さんが、美しく健康になる食べ方を、オリジナルレシピとともにご紹介します。今回のテーマは「副腎疲労」です。

ストレスの多い今は「副腎疲労」に注意

 今年の夏は全国的に猛暑。また新型コロナウイルスの影響で、リフレッシュのための旅行などが自由にできないストレスもあり、例年よりも疲れや体がだるいなどの夏バテ症状が出ている方が多いのではないでしょうか。長引く夏バテの裏には、「副腎疲労」が隠れているかもしれません。

 「副腎疲労」は正式な病名ではなく、あまり知られていない言葉ですが、海外では、現代人の多くに「アドレナルファティーグ(副腎疲労)」があると認識されています。その症状は、眠れない、疲れやすい、寝ても疲れが取れない、立ちくらみがする、下痢や便秘があり食欲がない、など。夏バテの症状と、とてもよく似ています。

 副腎は腎臓の上にあるたった数センチの小さな臓器ですが、コルチゾールという抗ストレスホルモンや、アドレナリン、プロゲステロン、エストロゲンなどのさまざまなホルモンを産生している大切な器官です。また、血圧や血糖値を保つ働きもあります。過労や睡眠不足、カフェインの取り過ぎ、水銀や鉛といった重金属の蓄積などにより、副腎に負担がかかる現代人は副腎疲労になりやすいのです。