食べ物で健康な心と体を作る予防内科医の関由佳さん。医師でありながらニューヨークで栄養と料理を学び、ミシュラン星付きレストランでも働いた異色の経歴の持ち主です。無農薬の野菜作りにも挑戦中の関さんが、美しく健康になる食べ方を、オリジナルレシピとともにご紹介します。今回のテーマは「ZONEダイエット」です。

健康オタクだった医学生時代

 「予防内科医」はあまり一般的ではないかもしれませんが、私は10年以上、食べ物や食べ方で病気を予防したり、治したりする栄養療法を専門にしてきました。

 思い返せば学生時代から「なぜ人は病気になってしまうのだろう」「どんなものを食べていると病気になってしまうのだろう」「どうしたら健康な体になれるのだろう」ということに興味関心がありました。また、食べ物の栄養素やカロリーなど、口に入れるものは人一倍気を付ける、健康オタクな医学生でした。

医学生時代に野菜ソムリエの資格も取得したという予防内科医、関由佳さん。料理への情熱も人一倍。今は無農薬の野菜作りや季節の保存食作りに挑戦中
医学生時代に野菜ソムリエの資格も取得したという予防内科医、関由佳さん。料理への情熱も人一倍。今は無農薬の野菜作りや季節の保存食作りに挑戦中

なぜ過食しなくても生活習慣病になるのか

 医師になって、糖尿病を中心とする生活習慣病の方の外来を担当するようになり、病気の原因の大部分は食にあるとさらに実感するようになりました。外来で診察中に患者さんの食事内容を聞くと、多くの方は決して量を食べ過ぎているわけではないのに糖尿病や脂質異常症になってしまうことに気がつきました。摂取カロリーは標準でも、糖質や脂質の代謝に必要なミネラルやビタミン、食物繊維などが足りない方がほとんどなのです。つまり栄養素のバランスが崩れているために全身の細胞の機能が低下し、やがて病気になってしまう方が多いのです。

 ではどうしたら病気になりにくい体を作ることができるのか。