医学博士考案の「ZONEダイエット」とは?

 模索している中で、私が学んだのが、米国の「ZONEダイエット」という、血糖値をコントロールして、体の慢性炎症を抑えるという食事法でした。

 ZONEダイエットはボストン大学医学部、マサチューセッツ工科大学で薬学や生化学の研究を積んだバリー・シアーズ博士によって考案された食事法です。

 具体的には、最初に両手のひらいっぱいの野菜から食べ、次に手のひらサイズの肉や魚、卵などのタンパク質、そして最後に握りこぶしサイズの糖質を多く含むご飯やパンなどを食べます。この量と食べ順を意識することで、血糖値の急上昇を抑え、なおかつ代謝したり細胞の機能を保ったりするのに必要なアミノ酸やビタミン、ミネラルもしっかり摂取することができます。

まず両手のひらいっぱいの野菜から食べ始める
まず両手のひらいっぱいの野菜から食べ始める

味噌汁ファーストで腸内環境も改善

 本当に簡単なルールですが、外来でこの食べ方をお伝えして、1カ月でも実践した方とそうでない方では採血データに差が出るほど結果が変わっていきました。

 さらに私は、野菜と一緒に味噌汁を先に食べることをお勧めしています。味噌と具に含まれる食物繊維により、糖質の吸収が緩やかになり、さらに腸内環境の改善にもつながります。

 どんなに良い食材や良質のサプリメントを摂取しても、それをちゃんと吸収できなければ意味がありません。また、糖質を制限しすぎると便秘になる方や低血糖症状になってしまう方がいらっしゃいますが、この方法でしたら、適度な糖質を摂取できます。和洋中どんなメニューにも当てはめることができるので、楽しみながら続けることができるのも魅力です。また、ルールがシンプルなので実行しやすく、健康的にやせることにもつながります。