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人生はいつもクラシック

自分を甘やかしてもよし 「人と一緒に」が世界を広げる

(下)早稲田大学ビジネススクール川上智子 マーケティングも自分の行動も、大事なのは常に「Be a giver」であること


思いがけない成り行きで、自身が研究するマーケティング理論をクラシック音楽の世界に応用したプロジェクト「クラシカエール」を立ち上げることになった、早稲田大学ビジネススクール教授の川上智子さん。自身のキャリアについても、研究者は期せずして進むことになった道だと振り返ります。常に変化し続けるマーケティングの世界でさまざまな研究テーマに意欲的に取り組み続ける川上さんが大切にしてきたこととは?

(上)早大教授がクラシック×異分野の新市場開拓に挑む理由
(下)自分を甘やかしてもよし 「人と一緒に」が世界を広げる ←今回はココ

しばらく専業主婦のつもりが、産後うつのような状態に

 私はもともと研究者を目指していたわけではなく、大学を卒業して最初はミノルタカメラ(当時)に6年間勤めていました。研究所に配属になり、社内結婚をして娘の出産を機に退職。残業の多い仕事で、燃え尽き感がありました。男女雇用機会均等法が施行されて2年後に入社した世代ですから、育休を取る人も少なかったですし、出産後も働き続けるロールモデルが身近にいませんでした。

 しばらくは専業主婦でもいいかなと思っていたのですが、出産して子どもと向き合うだけの生活はそれまでとのギャップが大きく、産後うつのような感じになってしまったんです。

 そんなときに、以前同じ職場で働いていた先輩が大学院に行くと聞いて、自分も行こうかなと考え始めました。当時の社会人入試は試験科目も今ほど多くなく、割と楽に入れそうだった(笑)。それで大学院に入学し、マーケティングを学び始めたらハマりました。

 マーケティングを専攻した理由は、会社員時代にマーケティングをやれと言われたものの、ほとんどできなくて苦労したからでした。フィリップ・コトラーというマーケティングの有名な先生がいるのですが、彼の本に書いてあることが、技術でものづくりをする会社にはあまり当てはまらないように思えました。食品や日用品のようなパッケージグッズではない、技術の分野におけるマーケティングって何だろうという疑問がわき、ちゃんと勉強したいと思ったことが出発点でした。

 そして、マーケティングと技術のインタラクションをテーマに論文を書いて博士課程を修了し、そのまま研究者の道に入っていきました。

 最初は国内で論文を書いていたところ、学会賞を2ついただいたんですね。それで何となく、これからは世界に出て行かなくちゃ! と思って。とにかく英語で論文を書き、子連れで留学もしました。その頃が研究者としての転機になったと思います。

 ……という話がキャリアの表(おもて)面だとしたら、裏面はとにかく子育てをしながら仕事と両立するのに必死の日々でした。

「私は朝4時に起きるのですが、それは子育てしながら勉強や仕事をしていたときの習慣がずっと残っているから。誰も起きていないときにしか、自分のことができなかったんですよね」
「私は朝4時に起きるのですが、それは子育てしながら勉強や仕事をしていたときの習慣がずっと残っているから。誰も起きていないときにしか、自分のことができなかったんですよね」
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