手術後も続く過酷な治療の日々
総合企画部の部長はかなり重職で、常務会に毎回出席して個別議題について説明するという大きな仕事がありましたが、当初はそこまで長期の入院になるとは思っておらず、ひとまず副部長に代理を頼みました。
ところが、日がたつにつれ声が出なくなり、呼吸も苦しくなっていく。病状はかなり深刻でした。
当初は薬剤の投与で経過を見ていましたが、治療の効果がなかなか現れず、手術をすることに。術後も投薬による過酷な治療の日々が続く中で、ある時、長時間にわたる処置を受けることになりました。これが痛くて非常につらいものなのですが、それでもただじっと終わるまで待つしかないので、マーラーの「復活」を聴くことにしたんです。
その頃は、長い入院生活と治療で、歩くのもやっとというほどに体は衰弱していました。こんなつらい治療をしてまで自分は生きるのか、と思うこともありました。
そうした過酷な闘病生活の中で聴いた「復活」の印象は、学生時代とは全く違うものでした。
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取材・文/谷口絵美(日経xwoman ARIA) 写真/鈴木愛子
明電舎 代表取締役 取締役社長