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人生はいつもクラシック

思春期の心とらえた「魔王」 物語を伝える声の力に驚き

(上)ビジョナル三好加奈子 中学時代に初めて意識した「意思決定」の重み。MBA留学後のキャリア選択にも通じる人生の軸に


たった1年で不本意な「結末」、でも後悔はなかった

 コーチで採用されたストラテジー&コンシューマーインサイトの部署には、米国の一流大学やトップスクールのMBAを卒業し、投資銀行や大手コンサル会社などで働いた経歴を持つエリートの女性がたくさんいました。しかもその多くが年下。「日本でこういう環境ではなかなか働けないし、面白そう。ここで働きたい!」。心の底から純粋に湧き上がってきたその思いに従いました。

 ただその選択をして1年もたたないうちに、それまでのキャリアの中で一番困難な状況となりました。卒業した当時アメリカは景気が良く、H-1B就労ビザは年間の枠に対して抽選で当たった人のみに発給されていたのですが、コーチに就職して1年目は学生ビザで働くことができたので、2年目に改めて申請するつもりでした。ところが2年目も希望者が殺到して抽選となり、残念ながら就労ビザを取得できなかったのです。結局、たった1年でコーチを辞めて帰国せざるを得なくなりました。

 ここで普通に考えたら、1年前の決断を後悔しそうなものなんですけど、それは全くありませんでした。もし当時、中途半端に「こっちを選んだほうがその後のキャリアにプラスになるだろう」と損得勘定で決断していたら、思い通りにいかず後悔していたかもしれません。でも、自分の心に従って意思決定したからこそ、うまくいかなくてもそれも含めて人生だよね、と思えました。

「結局、1年でコーチを辞めて帰国せざるを得なくなりましたが、自分の選択に後悔は全くありませんでした」
「結局、1年でコーチを辞めて帰国せざるを得なくなりましたが、自分の選択に後悔は全くありませんでした」

 どんな意思決定をしても、どんなバラ色の未来を思い描いても、しんどいことはあるし、思うようにいかないことは起こります。そうなったときにも、「どうすべきか」とか「周りがどう思うか」ではなく、「自分は本当にどうしたいのか」で選んでいれば、頑張ることができる。転職などキャリアに関する選択ではとりわけ大事なことではないかと思っています。

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取材・文/谷口絵美(日経xwoman ARIA) 写真/鈴木愛子

三好加奈子
ビジョナル 執行役員CHRO
三好加奈子 京都大学卒業後、三菱商事に入社。ハーバード・ビジネス・スクールへMBA留学後、Coach Inc.ニューヨーク本社、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社を経て、ラッセル・レイノルズ・アソシエイツで幹部人材のサーチなどに携わる。2013年にファイザー入社、人事オペレーショングループ部長などを務めた後、19年からビズリーチへ。人事企画本部長を経て20年2月、同社とその持ち株会社として設立されたビジョナルの執行役員CHROに就任。
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