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人生はいつもクラシック

思春期の心とらえた「魔王」 物語を伝える声の力に驚き

(上)ビジョナル三好加奈子 中学時代に初めて意識した「意思決定」の重み。MBA留学後のキャリア選択にも通じる人生の軸に


合唱大会の本番で担当パートを突如「ソロ」で歌うことに

 私はプロテスタント系の中高一貫校に通っていて、毎年冬になるとクリスマスの賛美歌をクラス対抗で歌うのが恒例行事でした。1クラス50人弱くらいがソプラノとアルトに分かれるのですが、賛美歌には他にディスカントといって、高音の装飾的な旋律を歌う少人数のパートがあるんですね。

 中学3年生のときの私のクラスではディスカントを2人が担当することになり、そのうちの1人に選ばれました。ところが本番当日、一緒に歌うはずだった子が風邪で声が出なくなってしまい、急きょ1人で歌うことになったんです。

 本番が行われた講堂は天井が高くて音がとてもよく響きます。ソプラノとアルトを聴きながら自分が高音をのせて、全体が1つの美しいハーモニーになって……歌っていて本当に気持ちがよく、「ああ、いい合唱ができたなあ」と自分でも思いました。結果は優勝。ディスカントも褒められて、ちょっぴり気をよくした私は、系列の大学にある音楽学部の声楽科を目指そうかなと考え始めました。

 どんな準備が必要なのか調べてみると、歌やピアノのレッスンはもちろん、音楽理論も学ばなくてはならず、かなりの時間を使わなくてはならないと分かりました。私は当時部活動でバドミントンに打ち込んでいて、練習は週5日。音大進学の準備との両立は無理ということに気づきました。

 歌の道に憧れて、ピアノの先生からレッスン時間の一部を使って声楽も教わり始めたけれど、考えた末、バドミントンを続けて、一般の大学に進む選択をしました。そのときに強く感じたのが、「何かを選ぶということは、何かを選ばないことでもあるんだな」ということです。

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