湘南をベースに多方面で活躍する女性たちに湘南在住のライターが「身体、精神、社会的により良い状態であること」を指す「Well-beingな生き方」をテーマにインタビューする連載。今回取材したのは、一般社団法人エシカル協会の代表を務める末吉里花さん。20代の頃、テレビ番組『世界・ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして世界各国を旅するなかで、環境問題や社会課題を目の当たりにした末吉さんは、身近なことからできる社会変革活動をスタートしました。「下」では、課題解決に必要な力、仕事の原動力などについて聞きました。

(上)鎌倉に帰ると、また頑張ろうと思える
(下)身近な暮らしに目を向けると、変化が起こせる ←今回はココ

当たり前だとされることに、疑問を持つこと

―― 末吉さんというと、テレビ番組『世界・ふしぎ発見!』(TBS系)などのイメージが強いのですが、当時の仕事が今に生きているなと思うことはありますか?

末吉里花さん(以下、敬称略) 何より、日本では常識とされていることが、実は世界では非常識だということがたくさんあるのに気づかされました。そこから、当たり前のことに疑問を持つことが大切だと学びましたね。この視点は、特に私たちのような活動を広く伝えていく上で、とても大事だと感じています。

 例えば、ここまで地球環境が悪化してしまったのは、これまで私たちが環境に悪い行動でも疑わず、それをし続けてきたことの結果です。ですから、ずっと当たり前でやってきたことについて、立ち止まって見直すということがとても大事だなと思います。

 あともう1つテレビの仕事から学んだのは、言葉がまったく通じない場所で、どうコミュニケーションを図るかということですね。上編で紹介した「笑顔」の大切さもそこで感じました。

―― コミュニケーションについて、もう少し詳しく教えていただきたいのですが、例えば、互いに意見が異なる者同士や意見が対立してしまった場合、どう対話を進めたらよいでしょうか。

末吉 私たちの活動を進める上でも、当然、異なる意見を持つ人はいます。その場合、相手を否定したり諭したりするのではなく、どうしたら相手との共通言語、すなわち共通のテーマを見つけられるかに注力しています。

「テレビの仕事で海外に行き、当たり前のことに疑問を持つことが大切だと学びました」
「テレビの仕事で海外に行き、当たり前のことに疑問を持つことが大切だと学びました」