さまざまな形で女性を応援していきたい

―― 最近はSDGs(持続可能な開発目標)という言葉を頻繁に目にするようになり、社会全体がオーガニックやサステナブルなライフスタイルに注目しはじめてきました。

神田 私が扱うオーガニックコットンを例にあげますと、通常栽培されていたコットンをオーガニックに変更することは農家にとっては思い切ったことです。企業に役割があるとしたら、オーガニックをはじめとする「こだわり」を持つことで、その良さや素晴らしさを伝えていくことだと思うんです。実際、分かる人が増えていると思いますし、分かってくれる人に届くといいなと思います。

 オーガニックコットンを栽培してくれる農家さんや、日本の縫製工場で働く人とか、そういった一つひとつのプロセスに思いをはせ、よい循環の中で作られたモノに囲まれて生活すると、それだけで気持ち良いですよね。

―― 今後はどんな活動に力を入れていきたいですか?

神田 これまでもそうですが、さらに女性を応援することに力を入れていきたいと思います。日本の女性って、つい頑張りすぎてしまい、心身のバランスを崩している人がとても多いように感じます。体調が悪くなってから病院へ行くのではなく、その手前でできることがまだまだあると思うんです。

 ですから今後は、健康なライフスタイルをさまざまな形で、総合的に伝えていきたいと考えています。

取材・文/富岡麻美 写真/井島健至

神田恵実
nanadecorディレクター / Juliette主宰
神田恵実 ファッションショーの制作、編集プロダクションを経て大手出版社に勤務。2005年にオーガニックコットンブランド「nanadecor」をスタート。2012年表参道に路面店「salon de nanadecor」をオープン。2018年にはオーガニックライフの素晴らしさと必要性を体験を通して伝える研究所「My organic labo」を発足。こころとからだを整える情報の発信のみならず、プロダクト開発、ワークショップ企画、リトリート、女性支援など、衣食住、様々な視点から、オーガニックライフをトータルで啓蒙している。著書に『My Organic Note』『ゆるめる自分』(ワニブックス)。