本当の豊かさとは。納得できるモノを消費する

―― 東京・表参道には、カフェスペースが併設された店舗があるそうですが、この場所は神田さんにとってどんな場所ですか?

神田 表参道という立地ではありますが、庭や暖炉のある落ち着いたスペースです。東京の真ん中から、「緩めること」を伝えたいと思い、このエリアを選びました。

 いらしてくださる方は皆さん、意識を持ってパジャマなどを買いにいらっしゃいます。自分のことを大事にしていらして、本当の豊かさや、何が一番大切かを知っている人ばかりなんです。お客さまというよりは、信頼できる仲間という感覚に近いですね。

―― パジャマというと、スウェットやTシャツなど手を抜いてしまいがちですが、あえて大事にすることには大きな意味がありますね。

神田 自分を大事にするってとても大切ですが、同時に難しいことだと思うんです。例えば、外出着は人に見せますし、TPOで選びます。どちらかというと他人のためという感覚ですよね。一方、パジャマは素にもどる自分らしい時間に、自分のために選んで着るもの。自分の扱い方が現れます。オーガニックコットン素材は決して安くない金額ですが、自分のために心地よいものを着せてあげる、自分を大事にするという、見えないところに投資することで、本当の豊かさを求められる気がします。

 現代人は稼ぐことばかりに注力し、お金の使い方には無頓着な傾向があると思うんです。本当に自分が納得できるモノを見極めながら消費することが大切だと思います。

 繰り返しになりますが、一番のストレス解消法は睡眠です。寝ている間に、脳がストレスをリセットし、美容も思考もすべてが磨かれると考えると、眠っている時間を大切にする重要性を分かってもらえるでしょうか。

「部屋着は自分のために着るもの。見えないところに投資するということは、本当の豊かさを求められる気がします」
「部屋着は自分のために着るもの。見えないところに投資するということは、本当の豊かさを求められる気がします」