湘南をベースに多方面で活躍する女性たちに湘南在住のライターが「身体、精神、社会的により良い状態であること」を指す「Well-beingな生き方」をテーマにインタビューする連載。今回取材したのは、ファッションエディターとして活躍する一方で、オーガニックコットンブランド「nanadecor」を立ち上げ、現在はディレクターとして活動する神田恵実さん。エディターとして多忙極まる生活を送っていた頃は、予約困難なマッサージに通い、温泉旅行など、仕事をして疲れて、癒しに行ってを繰り返している日々だったとか。オーガニックコットンとの出合いと葉山への移住が神田さんにとっての大きな転機となりました。「仕事にハマりやすい」という神田さんに、転機のきっかけやライフスタイルについて聞きました。

(上)仕事に没頭する性格だから、あえて葉山に住まいを選んだ ←今回はココ
(下)肌に触れるものが心地よいと全身がリラックス

海に近く、歴史や文化の豊かな葉山に魅了されて

―― 東京生まれ東京育ちという神田さんですが、葉山へはどんな経緯で移住したのですか?

神田恵実さん(以下、敬称略) もう10年以上前の話になりますが、当時付き合っていた夫が鵠沼(藤沢市)に住んでいたんです。夫も私もサーフィンをすることもあって、海が近い生活は必須でした。結婚を機に、改めて住む場所を考えたときに、歴史や文化の豊かな葉山に引かれました。自分が生まれ育った東京都文京区も歴史がある街だったので、そういった意味でも葉山に親近感を覚えたのだと思います。

 他にも、夫が、いつも夜中までPC仕事をしている私に驚いて、なんで夜中まで仕事をするの? 夜までやらなくていいよ、などとよく言ってくれて。いつのまにか、夜中まで仕事をするのが当たり前、それが常になっていた自分に気づきました。葉山を選んだのも、ゆったりと自由な空気が流れている生活を、夫が私に課したかったのかもしれません。

―― 葉山へ移住してからも、平日は都内に通う生活を続けているそうですね。

神田 ディレクターを務めるブランドのサロン兼オフィスが表参道にあるので、必然的に通っています。さすがに妊娠中は大変でしたが、子どもが生まれてからは、自然豊かな環境で子育てをしたいという思いが強まりました。

 仕事をする上では当然、都内に住む方が便利ですが、私自身、仕事に没頭しやすいタイプでもあるので、移動時間がちょうどオンオフの切り替えのタイミングにもなるんです。

「生まれ育った文京区も歴史がある街だったので、そういった意味でも葉山に親近感を覚えたのかもしれません」と話す「nanadecor」ディレクターの神田恵実さん
「生まれ育った文京区も歴史がある街だったので、そういった意味でも葉山に親近感を覚えたのかもしれません」と話す「nanadecor」ディレクターの神田恵実さん