働く女性は常に頭がフル回転、睡眠を削りがち

―― 世界的にみても、日本人、特に女性の睡眠時間の短さが顕著です。睡眠の重要性については多くの専門家が触れていますが、神田さんの場合には、実際の経験からアプローチされており、説得力がありますね。

神田 働いている女性は常に頭がフル回転で、心身が緩められる時間帯は皆無。特に子育てをしながら仕事をしていると、タスクがあり過ぎ、状況はさらに過酷です。忙しいとき、最初に削る時間は睡眠時間ですから、健康状態も悪化する一方なのです。

 良質な睡眠を得られると、ホルモンが分泌され健康になりますし、美しくなると言われています。とくに睡眠の深さが大事で、いかに深く眠ることができるかが重要となってきます。

―― なぜ、オーガニックコットンの部屋着やパジャマが睡眠と関係するのでしょう。

神田 現代人は眠る直前までスマホを見たり、仕事をしていたりと、日常ではなかなか深い眠りを得ることはできません。脳自体もいつ休んでいいのか分からなくなっています。

 そこで、お風呂に入って上質な素材、自分が気持ちいい! と思うパジャマやアイマスクを身に着ける習慣をつけるのです。すると、パジャマを着るだけで、脳が「もう寝るんだな」と準備を始めます。つまり脳と身体が睡眠へ向かうスイッチがスムーズに切り替えられるよう、環境をつくってしまおうと考えたのです。実際、着心地がよいものを着ると、肌を通して心と体がリラックス状態になりやすいと思います。

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肌に触れるものが心地よいと全身がリラックス 神田恵実

取材・文/富岡麻美 写真/井島健至

神田恵実
nanadecorディレクター / Juliette主宰
神田恵実 ファッションショーの制作、編集プロダクションを経て大手出版社に勤務。2005年にオーガニックコットンブランド「nanadecor」をスタート。2012年表参道に路面店「salon de nanadecor」をオープン。2018年にはオーガニックライフの素晴らしさと必要性を体験を通して伝える研究所「My organic labo」を発足。こころとからだを整える情報の発信のみならず、プロダクト開発、ワークショップ企画、リトリート、女性支援など、衣食住、様々な視点から、オーガニックライフをトータルで啓蒙している。著書に『My Organic Note』『ゆるめる自分』(ワニブックス)。