湘南をベースに多方面で活躍する女性たちに、湘南在住のライターが「身体、精神、社会的により良い状態であること」を指す「Well-beingな生き方」をテーマにインタビューする連載。今回は、草から糸をつくり、その糸で作品をつくる作家(アーティスト)として活動したのち、「草文明探求者」となり、今年一般社団法人EARTH BOOKを立ち上げた矢谷左知子さんに話を聞きました。

<上編>矢谷左知子 葉山の家で「草」に向き合って26年

自然の中で体が整えられていく感覚

―― ここ数年、「マインドフルネス」や「野生を取り戻す」といったキーワードが目につくようになりましたが、矢谷さんが草と向き合う様は、まさに「野生」そのものですね。

矢谷左知子さん(以下、敬称略) 作家として活動していた頃から、草を栽培せず、野生のものだけで作業する、ということを大切にしてきました。制約の中でいかに進めるかということを自分に課していると、心も体もとっても鍛えられ、思いがけない成長を遂げられます。そういった経験が今の自分を作ってくれているんじゃないかなと思います。

 上編で、やぶの中に入って草を刈るときの、体の動きについてお話ししましたが、自然の中での所作を意識していると、どんどん体が整っていくように感じます。私にとって、自力で生きている生命体である草たちは、仕事仲間であり、師でもある。私の心と体をほぼ作ってくれた大切な存在です。人それぞれにそうしたものがあると思うんです。

「自然の中での所作を意識にしていると、どんどん体が整っていくように感じます」
「自然の中での所作を意識にしていると、どんどん体が整っていくように感じます」