湘南をベースに多方面で活躍する女性たちに、湘南在住のライターが「身体、精神、社会的により良い状態であること」を指す「Well-beingな生き方」をテーマにインタビューする連載。第1回は、元アナウンサーで、現在はアロマセラピストとしてだけでなく、地元葉山を中心に活動する一般社団法人「はっぷ」代表でもある大橋マキさんに登場してもらいます。葉山での暮らしを120%謳歌する大橋さんに、仕事のこと、家族のこと、そして女性としての生き方について聞きました。後半となる今回は、今もっとも力を入れている地域での活動について、さらにはひとりの女性としての生き方について紹介します。

(上)「日暮れを感じたい」葉山に移住し10年
(下)「老い」を身近に感じて暮らせる仕組みを  ←今回はココ

「植物が好き」でつながる地域活動

―― スタートして2年目となる一般社団法人「はっぷ」はどんな活動をしているのでしょうか。

大橋マキさん(以下、敬称略) 「はっぷ」をひと言で説明すると、植物が好きな人のグループです。ですが、その構成メンバーがすごくユニークなんです。現在は下は30代、上は80代まで、約20名のメンバーがいますが、医師や理学療法士、園芸療法士、薬剤師、セラピスト、料理上手なお母さん、農業に詳しいお母さん、英語が得意なおばあちゃんなど多彩な顔ぶれです。

 そんなメンバーたちと、ガーデニングという枠組みで括られた中だけで植物を楽しむのではなく、地元葉山をフィールドとして季節の植物に親しみ、活動しています。

 一般的な植物愛好家グループとの違いは、その活動を地域活動に落とし込んでいるところでしょうか。例えば、デイサービスと連携して認知症の方々とチームを組み、活動に賛同くださる地域のカフェのお庭づくりを有償で請け負ったり、町の一般介護予防事業としてアクティブシニアの皆さんに地元のクリニックのお庭づくりに参加いただいたり。リハビリ病院で、作業療法士さんたちと一緒に麻痺など残る方々への園芸プログラムを提供したり……。ガーデンという「場」をシニアの方が地域に繋がり、生活に彩りを添える場になるような事業を行っています。

―― 前編でも話題になりましたが、「老い」が身近なものでなくなってしまっている今、一般の人や地域社会との乖離(かいり)がありますよね?

大橋 認知症というと「何もできないのでは」というイメージを持つ方も多いと思いますが、実は違っていて。「はっぷ」に関わるお年寄りの皆さんは、すごくお元気でやる気に溢れています。

「はっぷでは、ガーデンという『場』をシニアの方が地域に繋がり、生活に彩りを添える場になるような事業を行っています」
「はっぷでは、ガーデンという『場』をシニアの方が地域に繋がり、生活に彩りを添える場になるような事業を行っています」

 認知症は、意識して社会的な交流を維持していかなければ、どんどん症状が悪化してしまいます。ですから、デイサービスなどに通って、少しでも周囲との関わりを増やす機会を設けられていると思います。

 一般的なデイサービスでは、当然ですが、お元気な方もいれば、動けない方もいらっしゃいます。そういった環境の中で、お元気な方は、どうしても動けない方の活動に合わせなければならないのが現状です。

 けれどもそれって、もったいないですよね。そこで、私たちはそういう方たちとチームを組んで、外でお仕事をします。土いじりや、周りの方との触れ合いを通して、やりがいや達成感を感じていただくのです。