楽しい感情やプラスの感情を、認知症の人に

―― 実際に作業をしてもらうにあたり、関わり方や作業の進め方など、大変ではないですか?

大橋 心身がお元気であっても、認知症により記憶が失われてしまう場合があります。そこで、記憶が定着するような工夫を随所に取り入れ、作業を進めていただきます。おじいちゃんおばあちゃんたちが、どうしたら職場に対しての愛着を重ねていってもらえるか、というのも課題のひとつです。

 少なくとも、楽しい感情やプラスの感情には、本当に素晴らしい影響があって、認知症の進行が緩和することも明らかになっています。さらには、地域でおじいちゃんおばあちゃんたちと作業をしていると、通りかかる人たちが、何しているんだろうって興味を持ってくれるんです。そういった第三者との触れ合いも大切な要素のひとつです。

―― 「はっぷ」の活動をするうえで大切にしていること、また、活動を通してどんなことを伝えたいですか?

大橋 普段私たちが生活する中で、お年寄りとともに何かをする経験や、お年寄りの方がお仕事されている光景って、なかなか見ることはできません。つまり身近に「老い」を感じられないと思うんです。そこに私自身がすごく問題意識を感じていて。

「普段の生活では、身近に『老い』を感じられないと思うんです。そこに、私自身がすごく問題意識を感じています」