湘南をベースに多方面で活躍する女性たちに、湘南在住のライターが「身体、精神、社会的により良い状態であること」を指す「Well-beingな生き方」をテーマにインタビューする連載。第1回は、元アナウンサーで、現在はアロマセラピストとしてだけでなく、地元葉山を中心に活動する一般社団法人「はっぷ」代表でもある大橋マキさん。葉山での暮らしを120%謳歌(おうか)する大橋さんに、仕事のこと、家族のこと、そして女性としての生き方について聞きました。

(上)「日暮れを感じたい」葉山に移住し10年 ←今回はココ
(下)「老い」を身近に感じて暮らせる仕組みを

楽しくても身体の負担になっていることがある

―― アナウンサー時代は都内に住んでいたとのことですが、当時はどんな生活をしていたのでしょうか。

大橋マキさん(以下、敬称略) 20代で結婚し、都内に家を建て、夫とふたりで暮らしていました。お互い仕事が楽しくて仕方がなかった時期でもあり、当時は東京での暮らしも悪くはありませんでした。ところがある日、疲労が原因なのか突発性難聴になってしまったんです。どうしようかと悩んでいたら、ある仕事を通して、統合医療を専門とする先生とお話しする機会をいただきました。

 耳のことを相談すると「もしかすると、疲労などで内臓がすごく冷えているのでは」とアドバイスをくださり、それ以降なるべく冷えに気をつけて生活を送ってみたんです。すると、いつしか耳はよくなり、自然と第1子を授かることもできました。このときの経験から、自分がいくら“楽しい”という気持ちで取り組んでいても、時として身体の負担になっていることがあるのだと気付かされました。

 その後、無事に娘を出産し、仕事のペースもスローダウンしていた矢先、夫の仕事の関係でアムステルダムに移住することが決まったんです。当時1歳になったばかりの娘とともに、家族3人で7カ月ほど、アムステルダムで暮らしました。

結婚当初、都内に家を建てて暮らしていた大橋さん。生活について考え直すきっかけになったのは、突発性難聴になったことだった
結婚当初、都内に家を建てて暮らしていた大橋さん。生活について考え直すきっかけになったのは、突発性難聴になったことだった