頼もしい娘が教えてくれる、時代の風をキャッチするアンテナ

―― 娘さんとはどんな関係ですか。

石川 これ見に行こうよ、聞きに行こうよ、と誘い合って一緒にコンサートに行くこともしばしば。買い物はたいがい、いつも一緒。ホラ、私がお財布を持っているから(笑)。

―― 最近、石川さんはコブクロ、レキシ、椎名林檎など若い世代に人気のあるミュージシャンとのコラボが話題になりますが、娘さんから教わることも多いですか。

石川 音楽だけじゃなくて、娘が私に教えてくれることはたくさんあります。先日、レキシのツアーにゲスト出演させていただいたのですが、「池ちゃん(レキシ 池田貴史さん)の音楽は最高に楽しいんだよ」と、最初に教えてくれたのは娘です。ある時、矢野顕子さんと上原ひろみさんのコンサートに娘と一緒にでかけて、楽屋に挨拶に行ったら、そこに池ちゃんがいた。すると娘が「お母さん、レキシを知らないの? 私はいま、今日いちばんテンションが上がっている」といつになく興奮していたので、矢野さんにお願いして、紹介してもらったんです。

 家に帰ってから、「これこれ」とCDをいろいろ聞かせてもらったことが、ツアーゲストに参加するきっかけとなりました。彼女は音楽だけでなく、本など、いろいろなことに独特のアンテナを持っていて、なかなか面白いです。いつも、いろいろ教えてもらっています。

 ただ何でもやみくもに勧めるわけではなく、すごく冷静な一面も。いつも自分からは決して踏み込んでくることはせず、適度な距離感で物事を見ていて、「お母さん、それは違うよ」と諭されることもあるくらいです。

歌作りをともにした先生たちとのご縁から生まれた作品たちを見つめ直し、縁(えにし)歌として新たにスポットをあて、世に送りだす試みも
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