日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト始動を記念して、2020年5月15日にリモートで開催された日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト「ジェンダーギャップ会議~ジェンダー平等は企業の経営戦略だ~」。「ジェンダーギャップ121位の国からの脱却」と題した本セミナー開催中の合計アクセス数は1万を超え、リアルタイムで300もの質問や意見が寄せられました。

パネリストとして、UN Women(国連女性機関)日本事務所長 石川雅恵(いしかわ・かえ)さん、外務省 総合外交政策局 女性参画推進室長 松田友紀子さん、日本経済新聞社 編集委員 石塚由紀夫を迎え、日経xwoman総編集長 羽生祥子が進行を務めたセッションの様子をお伝えします。この記事では、まず石川さんのお話のパートを紹介します。

UN Womenは女性と女の子のための国連機関

左から、日経xwoman総編集長・羽生祥子、UN Women(国連女性機関)日本事務所長・石川雅恵さん、外務省・総合外交政策局・女性参画推進室長・松田友紀子さん、日本経済新聞社・編集委員・石塚由紀夫
左から、日経xwoman総編集長・羽生祥子、UN Women(国連女性機関)日本事務所長・石川雅恵さん、外務省・総合外交政策局・女性参画推進室長・松田友紀子さん、日本経済新聞社・編集委員・石塚由紀夫

日経xwoman総編集長 羽生祥子(以下、――) 皆様、本日はどうぞよろしくお願い致します。本来、観客の皆さんをお迎えしてのセミナーを開催する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大対策の一環でリモート開催に切り替えた結果、数千人という多くの方に事前登録していただきました。視聴者の皆さん、ありがとうございます!

 ではまずUN Womenの石川さんから伺ってまいります。UN Womenでは、どのようなかたちで女性を支援しているのでしょうか。簡単にご説明いただけますか?

サンフランシスコの自宅からリモートで参加したUN Womenの石川雅恵さん
サンフランシスコの自宅からリモートで参加したUN Womenの石川雅恵さん

石川雅恵さん(以下、敬称略) UN Womenは国連機関の一つです。日本でよく知られているユニセフ(国連児童基金)という機関が子どもに関する活動を行うように、UN Womenは女性と女の子の権利について活動しています。活動のための資金を日本の政府や企業などからも拠出していただいている非営利団体で、活動エリアは全世界にわたります。活動の内容は、その国の法律改正や女性の権利を守るための事業、意識の啓発などさまざまです。今日のテーマであるSDGs(持続可能な開発目標)にも非常に深く関わっています

―― SDGsの5番目に「ジェンダー平等」という項目がありますね。

石川 SDGsは2015年の国連で加盟国によって採択された世界の目標で、2030年までにこの17の目標を達成しなければいけません。現在が2020年ですから、残された時間はあと10年しかありません。今日生まれた子どもが10歳になる頃には、この国連が目指す世界をつくっていないといけないという大きな責任がわれわれには課されているわけです。

 「SDGsは国連が掲げたものであって、自分には関係ない」と思っている方もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。この目標はそれぞれの国でそれぞれの国民が目指すべきゴールとして定められています。UN Womenとしての私や他の国連機関は、民間企業や市民社会、メディア、研究機関、個人がSDGsを達成するために、例えば他国の先行事例や参考データを提示するなどして、皆さんをお手伝いする立場です。

 中でも、「ジェンダー平等」「女性のエンパワーメント」という項目は、その項目だけ独立させて達成しようというものではなく、すべてのSDGsの問題に関わっています

 例えば、SDGsの1番目に挙げられている「貧困の撲滅」に関しては、なぜ男性よりも女性の貧困率が高いのか。SDGsの4番目の「教育」に関しては、なぜ女の子のほうが途中で学校を続けられなくなるケースが多いのか、というようにジェンダーの視点から見ることはとても大事なことです。

 貧困というと、日本とあまり関係ないのでは? と思う方もいるかもしれないのですが、日本でも女性のほうが貧困率が高く、教育も分野によっては男女の格差があります。SDGsで扱われている課題は、世界の遠い国の課題ではなく、日本と非常に密接に関わっているとお考えいただきたいと思います。