私たち日本国民の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。合計170兆円もの額を動かす巨大な機関投資家だが、100年というロングタームを視野に入れた「超長期投資家」でもある。持続可能な社会を目指すESG投資は、企業経営者にとって“選ばれる企業”になるための重要なキーワードになってきた。2017年からスタートしたESG投資では「MSCI日本株女性活躍指数(WIN指数)」を採用している。GPIF投資戦略部・塩村賢史次長にその狙いと背景を聞いた。4回シリーズの第1回は、「GPIFと指数採用」の基本的な仕組みを学ぶ。

日経xwoman総編集長・羽生祥子(以下、――) ESG投資をおさらいすると、サステナブル(持続可能)な成長を基軸として、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3点から企業の価値を分析し、投資先として評価するということです。例えば「E」は地球温暖化対策をしている企業、「S」は女性活躍を推進している企業、「G」は取締役の構成などを挙げていますね。塩村さんは、どのような仕事を担っていますか?

GPIF投資戦略部次長・塩村賢史(以下、塩村) 私は投資戦略部というところにいまして、そこでストラテジストをしています。投資の方針や戦略を考える仕事です。投資戦略の一つに「ESG」があり、ESG指数の選定などもしています。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)投資戦略部次長・塩村賢史さん。2016年2月GPIF入職、投資戦略部にて投資戦略立案やESG指数の選定を担当。市場運用部スチュワードシップ推進課企画役も兼務。GPIF入職前は、大和証券投資戦略部にて日本株投資戦略、内外マクロ経済等を担当
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)投資戦略部次長・塩村賢史さん。2016年2月GPIF入職、投資戦略部にて投資戦略立案やESG指数の選定を担当。市場運用部スチュワードシップ推進課企画役も兼務。GPIF入職前は、大和証券投資戦略部にて日本株投資戦略、内外マクロ経済等を担当

GPIFが指数会社に「こんな指数を作ってほしい」と伝え提案してもらう

―― まずは「指数」について、簡単に説明していただけますか?

塩村 ある個別の株の価格ではなく、市場全体や特定のテーマに沿った銘柄群の株価の動きを表すものです。ある時点の株価を基準に増減で表しますので、時系列で株価の動きを長期的に評価することができる数値です。

―― その指数を採用したファンドを運用するということですね。女性活躍推進企業を評価するための指数も採用したということですが、そもそもGPIFさんが指数を選定するときには、どういった作業を経て決められているのでしょうか?