「自分はすごい」と見られたいだけの質問に気をつけよう

 人は博識であると見られたいために、自分がすでに知っていることをにおわす質問をしたがるものです。

 もしくは、自分が求めている答えが返ってくるような質問をしてきます。 「~だと思わない?」「~って本当?」「~ってそうでしょ?」で終わるものは、良い質問とは言えません。

 また、良い質問は「だよね?」で終わることも絶対にありません。

 こうした質問は、実はずらす対応がカモフラージュされたもので、話者にとっては本心とは異なる答えや不完全な答え、あるいは質問した人の意見や期待に合う答えを返すように、話者を導いてしまいます。

 また、自分を権威づけしたりよく見せたりするための情報が盛りだくさんの、長たらしい質問もご法度です。

「私は景観設計の経験を積んでいまして、私に言わせれば隠れた天才である、セントラル・パークを設計したフレデリック・ロー・オルムステッドを敬愛してやまないのですが、あぁそれから私はいろいろなところに旅をするので、ニューヨークのセントラル・パークやロンドンのセント・ジェームズ・パーク、パリのブローニュの森といったすばらしい公園の不朽の鮮やかさとその人気に感銘を受けておりまして、そこで質問なのですが、緑地空間について考えるとき、大きな志を持つ必要がある、という考えにあなたは同意されますか?」

 これは、持続可能な開発に関する討論会で、ある人が立ち上がって実際に質問したものです。こんな人にはならないでください。

 それから気をつけてほしいのは、「決めつけ」が隠れている質問です。

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「アドバイスをしよう」と思って話を聞くと失敗する理由

編集/日経xwoman編集部 写真/PIXTA

注1 Dick Leonard, The Great Rivalry: Gladstone and Disraeli (London: I. B. Tauris, 2013),202-203; “Stanley Weintraub: Disraeli: A Biography,” C-SPAN video, 58:56, February 6,1994, https://www.c-span.org/video/?54339-1/disraeli-biography.
注2 “Angels in the Marble?,” Economist, September 6, 2001, https://www.economist.com/united-states/2001/09/06/angels-in-the-marble
注3 Charles Derber, The Pursuit of Attention (New York: Oxford Uni versity Press, 2000).
ケイト・マーフィ
ジャーナリスト
米テキサス州・ヒューストンを拠点に活動するジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、エコノミスト、AFP通信、テキサス・マンスリーなどで活躍。健康、テクノロジー、科学、デザイン、アート、航空、ビジネス、金融、ファッション、グルメ、旅行、不動産など、多岐にわたるトピックを執筆。特に人間関係や、人がなぜそのように行動するのかを、科学的に分かりやすく解説することに定評がある
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