「話し方は教わっても、聴き方は教わったことがない」(篠田)

篠田 話し方については、学生の頃から教わる機会は多かったと思うんです。例えば、教室の前に立って発表する時はこういう話し方をしましょうとか、目上の方と接する時はこういう言葉の使い方をしましょう、とか。「その場にふさわしい話し方」を学んできた人は多いと思うんですね。

 でも、聴き方はどうでしょうか? 本来は聴き方も話し方と同じようにバリエーションがあって、その場に応じた適切な聴き方はあるはずなのに、そうしたことを学校で教わったことがある人ってほとんどいないんじゃないかと。自分から興味を持たなければ、その重要性に気づく機会もなかなかないと思います。

「相手の話を『聴きたい』という“マインドセット”が重要だと思います」(小巻さん)
「相手の話を『聴きたい』という“マインドセット”が重要だと思います」(小巻さん)

小巻 本当そうですよね。「聴く力」って、生きていく上でとても大切なスキルなのに、学校や職場で体系立てて習っていないというのも不思議です。仕事をする中で日々「聴く力」って本当に大事だなとひしひしと感じていますし、そのことに気づいている人も今、増えているんじゃないでしょうか。

―― お二人が「聴くことの大切さ」に気づいたきっかけというのは?