仕事でもプライベートでも、人間関係はARIA世代にとって悩みの筆頭格だ。真矢ミキさんも「年齢を重ねても、人間の悩みというのは尽きない」というが、50代になってから、「現場の空気を明るく変える、笑顔伝染プロジェクトにトライ」するなど、経験値があがったからこその対処法を身に着けたそう。自分の感情がむき出しになりそうな時、どうしているのか。真矢さん流コミュニケーションの秘訣を詳しく聞いてみた。

真矢ミキ流「腹が立ったときにどうするか」

―― 年を重ねても、人間関係や苦手な相手とのコミュニケーションでの戸惑いや悩みは尽きないものです。真矢さんが普段、心掛けていることはありますか?

真矢さん(以下、敬称略) これまでいろいろと試行錯誤をしてきたんです。例えば、他人に対して腹が立ったときにどうするか。最近は、「自分は、この人の母親なんだ」と考えるようにしています。不思議なものでね、そういう意識で相手と向き合うと、なんだか小さい頃の顔まで浮かんできて(笑)、だんだんいとおしく思えてくるんですよ。

―― 「お母さんになったつもり」ですか……(笑)。相手に対して負の感情が湧くと、どうしても拒絶反応が出たり、落ち込んで心を閉ざしてしまったりしますが、視点を変えるということですね。

真矢 そうですね。相手がワーッと感情任せに何かを言ってきても、「ああ、この人は今、子どもに返ってるんだなぁ」とか「そっか、ちょっと気持ちのやり場がなくなっちゃったのね……」とか。母親目線の大きな気持ちで捉えると、相手のネガティブな感情に必要以上に引っ張られない気がします。

「お母さんになったつもりで見ていると、この子も頑張っているんだなぁなんて思えてくるんですよ」
「お母さんになったつもりで見ていると、この子も頑張っているんだなぁなんて思えてくるんですよ」