ヴィンテージものになりたい

―― みんなの笑顔を引き出して、自分だけでなく、周りもハッピーにする。後輩や部下を持つARIA世代だからこそ、心がけておきたい習慣ですね。

真矢 私もこれまで素敵な先輩方からたくさんの刺激と影響を受けてきたので、自分もそうなれたら嬉しいですね。どんな状態でも、冷静で穏やかな対応ができる大人を見ると、かっこいいなと思うし、自分のコントロールが上手な人は憧れます。

 年齢を重ねることは、自分が熟成されていくということ。どうせなら、素敵な「ヴィンテージもの」になりたいです。ワインやお肉にしても、そのまま放っておくと酸化してダメになっちゃうけれど、手間と時間をかけることで、じっくり熟成されて深みのある味わいになり、価値がどんどん上がっていく。酸いも甘いも知ったからこそ、いい感じに熟成されて、「今の私、めっちゃマイルドですわ」みたいな感じ(笑)。そういう年齢の重ね方ができたらいいなと思っています。

―― そうなるとますます、40代以降をどう過ごすかが大切ですね。

真矢 そう思います。今は、人生100年といわれる時代。単に、老いを待っているだけではすごくもったいないですよね。どんな風に過ごしたいかは人それぞれ違うけれど、少なくともイキイキとしていたいという気持ちは、みんな同じはず。昔話を過去形で繰り返すだけの毎日は寂しすぎる。「今が一番楽しい!」と、胸を張って言える人生を送りたいですね。

取材・文/西尾英子 写真/稲垣純也 スタイリング/佐々木敦子 ヘアメイク/小澤久美子 構成/長野洋子(日経ARIA編集部) 衣装:PINKO/PINKO JAPAN、アクセサリー:NINA RICCI/エスジェイ ジュエリー