笑いながら手直しする

真矢 私の場合、自分のダメな部分を「全体のなかのひとつの部品」と考えるようにしています。「ダメだなあ、この部品」と、笑いながら金槌でトントンたたいて直していくような感じですね。自分の弱さを受け入れつつ、「でも、ここのパーツは良いよね!」と、長所もきちんと認めてあげる。変化していく自分を喜びつつ、笑いながら手直しできるのは、いろんなことを経験してきた50代だからこそかもしれません

―― 「笑いながら手直しする」というあたりに、大人の余裕を感じます。

真矢 決して余裕があるわけではないですよ(笑)。直したいところも常にあります。ただ、昔と比べると、自分自身とうまく付き合えるようになってきたなと感じますね。

 自分というのは、「乗り換えられない車」のようなものだと思うんです。ある程度の年齢になると、誰もが中古車を乗り回している状態だから、メンテナンスが悪いと故障が起きたり、酷い時には廃車になってしまう。でも、全ての部品が一斉に悪くなることはないので、サビついた部分や気になっている箇所を、その都度、手直しながら長く付き合っていくことが大事だと思います。

―― 「長く走り続けられる自分」を保つには、メンテナンスを怠らないようにしないといけませんね。ちなみに、「最近、この部品をこんなふうに補修した」というところはありますか?