真矢 自分年表のグラフを作る時に、もう一つ書き足したことがありました。それは、「人」と「言葉」です。

 自分の人生の節目で手を差し伸べてくれた人や、今でも忘れられない心のひだに染み入るような経験ってありますよね。「あの時、出会わなかったら踏ん張れなかった」という人との出会いや言葉も書き出してみたところ、相当な人数になりました。改めて、自分がどれだけたくさんの人に支えられてきたかを痛感し、感謝の気持ちで胸が熱くなりました。

「わたし、いろんな人に支えられて生きてきたんだなぁ、感謝すべき人がこんなにいるんだなぁと思いました」
「わたし、いろんな人に支えられて生きてきたんだなぁ、感謝すべき人がこんなにいるんだなぁと思いました」

―― そもそも、書き出そうと思われたのはなぜですか?

真矢 もともと箇条書きにして書き出すことが好きなんです。習慣のようなものですね。ひとりでコーヒーを飲みに行って考え事をしている時にコピー用紙の裏に書いてみたり。書き出すのは、たいてい、頭がモヤモヤとしている時です。

書き出して自分の心をほどいていく

 例えば、細いネックレスが幾重にも絡まってほどけない感じ、ありますよね。やみくもに力を入れて結び目をほどこうすると、余計に絡まってしまう。あれって、どうすれば解けるか知ってます? 実は、机の上にそっと置き、力を入れずにひたすら揺らすことで自然とほどけるんですよ。逆に手に持つと重力で締まってしまう。悩みの解決法も、それと似ているかもしれません。肩の力を抜いたほうが冷静に見つめられる。

 モヤモヤしていることを書き出していくと、頭が整理されて解決の糸口が見えてきます。「あの人のあの言葉に傷ついたな……」という感情で終わってしまうことでも、「どんな風に感じた?」「何に対して傷ついたの?」「相手はなぜそんなことを言ったのだろう」「じゃあ、どうすればいい?」と、自問自答しながら深掘りしていくと、「私にも悪いところがあったのかもしれない」と反省したり、「コンプレックスに触られたような気がして過剰に反応してしまったんだな」と気付いたり……。自分と対話しながら冷静に課題を解決でき、心がスッキリするんですよね! そして、書いたものは、その場で捨ててしまいます。