40代は自己分析に最適な時期

―― 40代以降は、「自分の中に湧き上がる好奇心とがっつり向き合う適齢期」というわけですね。

真矢 よく「石の上にも3年」といいますが、私もこの「3」という数字をひとつの区切りとして考えてきました。少し解釈が違うんですが、その仕事の基礎を一通り覚えるのが3年で、そこからようやく実践に入る。「4年目からが本番」というのが私の考え方です。

 年齢に関しても同じで、30年が世の中を知るためのひと区切り。40年目に立ってはじめて、「さあ、これから私、どうする?」と第二のスタートに立つ。社会をひと通り経験し、自分には何が向いているか、本当にやりたいことは何か、それらを繋げるとどんなことができるのかを冷静に考えてみると、「今の自分にここを足したらもっと成長できる」という勘やひらめきが生まれやすくなると思います。

「自分年表」を書いたら見えてきたもの

―― そういった自己分析は、いつもどのようにされるのですか?

真矢 頭の中で考えることが多いのですが、一度、年齢ごとに起きたことを時系列で書き出し、「自分年表」のグラフを作ったことがあるんです。それを見て、「人生にはサイクルがあるんだなぁ」と気付きました。

 『禍福は糾(あざな)える縄の如し』ということわざがありますが、幸福と不幸は1本の縄のようなもので交互にやってくる。人生にも、「飛躍の時期」と「足踏みの時期」というサイクルがあると分かってからは、停滞期に突入しても焦るのではなく、「今は充電期だから、目標を立てて学び、力を蓄えよう」と、前向きに乗り切れるようになりましたね。53歳で高卒認定を受験するときも、充電したものを使い切ったから、再びインプットが必要になっていたのだと思います。

「50代で知識を入れるのはそりゃもう大変でした。自分なりに工夫が必要です。ただテキストを読み込むのではなく、漫画も取り入れたりして。なるべく頭の中に刻みこめるように」
「50代で知識を入れるのはそりゃもう大変でした。自分なりに工夫が必要です。ただテキストを読み込むのではなく、漫画も取り入れたりして。なるべく頭の中に刻みこめるように」

―― 自分年表にはほかにどんなことを書くのですか?