女性の心にいまだ居座り続けるタブー感

 さて、この連載は、タイトル通り、ひとり行動と、その“動燃力”である「自由」について読者にオススメし、いろいろ語っていくというものだが、ひとり行動の事始めは何といっても、外食だろう。

 そして、ここが重要なのだが、女性にとって外食は伝統的にタブー感があるのだ。なぜなら、家で家族のために食事を作るというのが女性の役割であり、女性の外食は、「頑張ってくれているお母さんのご褒美」として、夫からプレゼントされるか、「たまには息抜きさせてよ」と女同士で決まり悪そうに行く、などという、男の許可や家族に対する後ろめたさがべったり張り付いているからだ。もはや、そんな時代ではないのだが、女性の心の中には、いまだ性的役割分担濃厚時代に育まれたタブー感が居座っており、言葉を変えていちいち、女性の自発的な行動にブレーキをかける。

 金曜の夜、カウンターがあるイタ飯屋で、ボンゴレと白ワインを愉(たの)しむひとり飯女子が心の中でつい想像してしまうのが、後ろのテーブルに座っているカップル、その隣の3人の女子会連中が自分を見て言ってそうなこの言葉。「あの女、週末なのに彼氏も友達もいなくてミジメだよね~」。もちろん、それは妄想にすぎないのだが、自分が逆の立場だったら、ひとり飯の女に言い放ちそうな言葉なだけに始末が悪い。