自分の気持ちを第一に

 もう1つは、そもそも自分はあまりセックスがしたくないという場合。そのときは、「治療してまで頑張る意味はあるの?」ということは考えてもらっています。

 セックスセラピーは、「相手を満足させる」「相手を受け入れる」ということが最終目標ではありません。あくまで本人が満たされるということが大事。なので、そこをまず考えて、本人がもっと楽しみたいのであれば薬で治療することはお勧めです。

 そうではなく、「自分がしたいわけではないけど、相手が納得しないから」であれば、潜在的なモラハラやDVの可能性もあります。今でも性の相手は「妻の役目」と思っている向きもあるかもしれませんが、そこは自分の気持ちを第一に考えてみてください。

 もっと言えば、40代は望まぬ妊娠をする人も意外と多いのです。40歳以上の中絶件数も少なくないのが現状です。もう40代だからと油断しないで、妊娠を望まないのであれば閉経するまでは避妊をしましょう。

更年期をきっかけに体と向き合う

 セックスレスは本来、治療するというより、予防するものと考えていたほうがいいかもしれません。男でも女でも、断られると心が折れることがありますから。「無理!」と一方的に拒否するのではなく、「応えたい気持ちはあるんだけど、最近痛みがあって……」と、自分の体の状態や気持ちを言葉できちんと伝えることが大切です。逆にパートナーの要求が過剰な場合も、更年期を一つのきっかけに自分の体の状態を伝えて考え直してもらう機会にできるといいですね。

取材・文/竹下順子(日経ARIA編集部) 写真/PIXTA