生活動線を最小限に設計すれば、家事はぐんと楽になる

 年齢を重ねていくにつれ、思うように身体が動かなくなっていきます。長く快適に住み続けるためには、「生活動線」の工夫も大切です。

 Sさんご夫婦も、コンパクトなマンション暮らしに慣れていることもあり、「生活動線は最小限に」を希望。ワンフロアで生活できる「平屋」を選択されました。平屋は近年、シニアから若者世代まで人気が高まっています。

和モダンの平屋造。整然と並んだ瓦屋根が美しいSさん邸
和モダンの平屋造。整然と並んだ瓦屋根が美しいSさん邸

 洗面所周辺の設計では、家事効率が重視されています。バスルームとつながる広めの洗面所に、洗濯機とアイロンがけのスペースを設置。洗濯後、すぐ横にあるテラスに干し、取り込んだらすぐに造り付けのカウンターでアイロンがけができます。室内には室内干し用のブラケットがあり、急な天気の変化や花粉の多い時期にも対応可能となっています。

 洗濯は「洗う~干す~取り込む~たたむ~仕舞う」という一連の作業に時間がかかりますよね。時間帯や天候に関わらず、自分たちのペースで作業できるように設計することで、日々の家事がぐんとラクになります。洗い上がった洗濯物は、水分を含んで重くなっているので、干す場所までの移動距離を短くする工夫も大切です。

洗濯機・軒下外干しスペース・室内干しスペース・アイロンがけ用スペースが近接
洗濯機・軒下外干しスペース・室内干しスペース・アイロンがけ用スペースが近接

 この連載で解説してきたように、心地良く暮らしていくための住まいづくりのアイデアはたくさんあります。「人生100年時代」には、住まいにおける暮らしの「幸せ」について、さらなる追求が重要。積水ハウスのビジョン「『わが家』を世界一 幸せな場所にする」を実現するために、私たちは、さまざまなライフスタイルを持つ皆さんが、それぞれに幸せを実感できる住まいに出会えるよう、さらなる研究を進めてまいります。