自分の時間が増え、家族やパートナーとの距離感が変化し始めるARIA世代にとっての「幸せ住まい」について、積水ハウス住生活研究所長の河崎由美子さんが解説する本連載。前回は、心地よい距離感を実現する「多世帯住宅」のつくり方について解説しました。今回は、駅近の住宅街で、両親と同居するARIA世代家族のお宅を訪問しました。

訪問したお宅
千葉県 T邸・M邸
家族構成/
子世帯:M邸 Hさん(夫、30代・会社員)、Kさん(妻、40代・会社員)、長女(4年生)、次女(1年生)
親世帯:T邸 Kさんのお父さま、Kさんのお母さま
建物仕様/戸建て
総床面積/219.57㎡(1階床面積:124.65㎡、2階床面積:94.92㎡)

「子どもが学校から帰ったとき、誰かにいてほしい」

河崎 Mさんのご家族と奥さまのご両親・Tさんは、もともと別々にお住まいだったそうですが、なぜ2世帯住宅を建てて同居することになったのでしょうか。

Hさん(夫) もともと私たち家族は大型分譲マンションを購入して住んでいて、妻の両親は一戸建てでリタイヤ後の生活をのんびり過ごしていました。お互い、住まいには何も不満を持っていなかったんですが、同居を考えるきっかけになったのは、娘の小学校入学でした。

Kさん(妻) 私たちは共働きです。それまでは保育園に預けていましたし、小学校に上がったら3年生までは学童保育がありますが、それ以降は預ける先がない。下校後に子どもを一人で過ごさせることに不安を抱きました。子どもが帰宅したとき、誰かが家にいる環境がほしい、と。そこで初めて、両親に同居を提案したんです。

河崎 奥様からの提案ですね。上手くいっている同居は、子育て期の子世帯側からの提案が多いんですよ。

Kさん(妻) 両親はマンション暮らしに抵抗感を持っていたので、2世帯住宅を建てることに。両親の家は駅からバスで10分以上かかる場所だったので、毎朝の通勤を考えると、その家を2世帯住宅に建て替えることは考えられませんでした。子どもがいずれ高校や大学に通うことを考えても、「駅近」は必須条件。そこで、一から土地を探し、駅から5分程度の今の場所を見つけたんです。

駅から徒歩5分。駅前の大型マンションを通り抜けた、閑静な住宅街に建つ3階建て

多世帯の暮らし「カゾク・ト・カゾク」