キッチンは半共有・半分離
同居のストレスを生みがちなのが「食事の支度・片付け」です。親世帯と子世帯では、食事の好みも時間帯も異なるもの。できればキッチンは分けるのが理想です。しかし、敷地が限られていると、キッチンを2つ設けるのは難しいでしょう。その場合、コンロや調理台は1つでも、冷蔵庫や食器棚、パントリーなどの収納を2つ設けるのもお勧めです。「他世帯専用のシンクに洗い物が溜まっていても手を出さない」というルールを決めておけば、「ジャマだから仕方なく洗っておいてあげる」「洗ってもらって申し訳ない」という、双方のストレスを予防できます。

バスルームと洗面所の間に「脱衣スペース」
洗面所・お風呂は、使う時間帯が重なりがちな場所です。「歯を磨きたいが、嫁がお風呂に入っている時間なので近づきにくい」といった遠慮も生じます。「洗面ゾーン」「脱衣ゾーン」「風呂ゾーン」と、機能ごとに空間を仕切ると、お互い遠慮せず、自分のペースで生活できます。

親世帯は2・3階へ。ホームエレベーターを活用
2世帯住宅では、1階を親世帯、2階以上を子世帯とするケースがよく見られます。しかし、子世帯のほうが帰宅や生活時間が遅くなるものです。1階の親世帯は、2階から響く足音や生活音に不満を抱くこともあるようです。それに、日中家に長くいるのは親世帯。日当たりや眺めの良い2階のほうが、老後の暮らしを豊かに感じられるでしょう。
1階に親世帯が住むのは、足腰が弱って階段の昇り降りがつらくなるという理由が多い。しかし、「ホームエレベーター」を設置することで、その問題は解消されます。ホームエレベーターは、最近は価格も手頃となってきました。3・4階建ての住宅に限らず、2階建てでも導入が可能です。エレベーターが付くと、一軒家であってもマンション感覚に近くなり、各階のプライベート感が増すというメリットもあります。
家族のあり方はさまざまです。一緒に過ごす時間と離れて過ごす時間、お互いの距離感――自分たちらしい同居を実現できる形を見つけていただきたいと思います。