自分の時間が増え、家族やパートナーとの距離感が変化し始めるARIA世代にとっての「幸せ住まい」について、積水ハウス住生活研究所長の河崎由美子さんが解説する本連載。前回は家族の幸せな大空間「ファミリー スイート」の魅力を説明してもらいました。今回は、実際にファミリー スイートで暮らすARIA世代のお宅を訪問します。

訪問したお宅
大阪府 M邸
家族構成/一行さん(40代・会社経営)、美抄さん(40代・ジュエリーバッグ講師)・長女(高校3年)・長男(中学2年)
建物仕様/戸建て、ダインコンクリート、総床面積:219.57㎡(1階床面積:124.65㎡、2階床面積:94.92㎡)

左から美抄さん、一行さん、積水ハウス住生活研究所・河崎由美子所長、同研究所・沢辺泰代さん
左から美抄さん、一行さん、積水ハウス住生活研究所・河崎由美子所長、同研究所・沢辺泰代さん

家族が自然に集まってくる場所

河崎 リビング・ダイニング・キッチンの仕切りがない約40帖のファミリー スイート。とても開放感がありますね。なぜリビングを広くしようと思われたのですか?

一行さん いちばん長く居る場所ですからね。なるべく広く取りたいと思いました。家族全員が座れるソファセットを置いて、それでもゆったり感のある広いリビングが夢だったんです。わが家の子どもは高3と中2。普通、子どもは思春期に入ると自室に閉じこもりがちになると聞きますが、わが家では全員、自然にリビングに集まってくるんです。ここがいちばん心地よい場所ですから。

家族全員にとって、「もっとも居心地のよい」場所
家族全員にとって、「もっとも居心地のよい」場所

美抄さん 家族みんなでTVや映画を観たり、おやつを食べたり、たわいもない会話をしたり、旅行の計画を立てたり。でも多くは、各自が「思い思い」のことをしています。子どもたちにはそれぞれ自分の部屋がありますが、勉強もリビングやダイニングテーブルですることがほとんどですね。弟が宿題に頭を抱えていたら、姉が「見せてごらん」と声かけているのも見かけます。

一行さん 私がリビングでお酒を飲みながらTVを見ているときに、ダイニングでは子どもが勉強している、なんてことも。長女は塾で帰りが遅くなる日は1人で夕食をとることになりますが、家族が集まるリビングで、会話をしながら食べています。

美抄さん 家族みんなでリビングで食事することもありますよ。このリビングテーブルはこたつでもあるので、冬場は4人でこたつに入って鍋を囲みます。「ちょっと、その足、邪魔だよ」と言いながら(笑)

家族のコミュニケーションが途切れない

河崎 常にお互いの姿が見えているのですね。

美抄さん キッチンで料理や片付けをしている間も、子どもの姿が見えています。姉弟の会話も聞こえます。「今日は元気がないみたい」といった、ちょっとした変化にも気付けて、声をかけられますね。

河崎 家族同士、ケンカをすることはあるのでしょうか。

一行さん ケンカらしいケンカというのはあまりありませんが、親が小言を言って「わかってるって!」といったちょっとしたケンカで気まずい空気になることはあります。でも、自室に逃げ込むようなことはなく、そのままリビングに居続ける(笑)。リビングに居ることが当たり前になっている感じです。

美抄さん 夫婦で意見がすれ違うことも時々ありますね。同い年なので、お互い遠慮なく言いたいことをパーッと言っちゃう(笑)。その後、しばらくは口をきかないんですが、2人ともリビングから動こうとしないから、そのうち自然に普段の会話に戻るんです。「メロン食べる?」「うん、食べる」といった感じで。

河崎 ファミリー スイートなら、お互い気まずいときはほどよい距離を置けて、でも断絶しないことで自然に修復ができるということですね。

美抄さん 家族揃って外出することも多いです。外食も、買い物も、旅行も。いくつになっても親子で一緒に出かけるような関係を築きたいと思っていたのですが、大空間リビングがその土台となっていますね。

2階からリビングを眺めたところ。大きな窓からたっぷりと陽の光が入る
2階からリビングを眺めたところ。大きな窓からたっぷりと陽の光が入る

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