社会の風通しがよくなるには…

安藤 20代、30代の子と話していると「もう男とか女とかどうでもいい」という子が結構いるの。私はそこに一筋の光明を見てるんですよ。その子たちがもうちょっと言葉を持っていけば、社会は風通しがもっとよくなるのかなって。

 一方で今20代の女性たちの世論調査で専業主婦希望というのがまた増えてきたんですよ。もちろんそういう生き方を否定するものではないけど、社会に出ていって面倒臭いおやじたちにヘコヘコしたりとか自分の意にそぐわないことをやったりするくらいなら別の生き方を選択する。それってこれ以上面倒臭いことに巻き込まれたくないという社会に対しての彼女たちの防衛反応というか、そこが私はすごく残念なんです。

長野 男女ともに生きづらさを抱える社会。ワクワクする夢を見いだしづらい社会になってしまっているのは本当に残念で、だからこそもっと多様な価値観が政策に反映される国会になってほしいと思うのですが。

安藤 フェミニズムについて広く捉えて「もうちょっと楽に自由に頑張ろうよ」みたいなところもある一方で、おやじたちが非常に頑迷に「だけどさ、俺たちはこの社会をつくってきたんだぜ」っていう。今そこら辺のすごい過渡期なんですよ。そこをうまく切り抜けていけたらなというところです。

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取材・文/長野智子 写真/矢作常明 撮影協力/グランドニッコー東京 台場 衣装/ブランイリス トーキョー(安藤さん)